赤の女王 2018-06-06 13:39:59 |
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(送った小言さえも嫌な顔をすることなく確りと受け止めてくれた事に安心を抱き、ほと小さく胸を撫で下ろす。道中は彼女の歩みに合わせる様に気を配りつつ、早まってしまわないように意識をして「森の中進むからさ、早すぎたら教えてね」とこの道すがらを慣れ親しんだ自分と初めての彼女では疲れ度合いもだがそもそもの歩き易さが違うだろうと思い留めるだけではなく言葉として伝えて。彼女が持っているそのダイスは特別に大事な物なのだと言う事が有り有りと伝わり、問いかけられたその質問内容に考える様な間を数秒。"うーん"と喉を伝い漏れる呟きの後に眉尻を少しだけ落とせば「カジノでするようなのはあんまりしないかな。スロットもルーレットも得意じゃないからさ、悪魔のダイスは論外だし。……グリフォンやリトルオイスター辺りは随分搾り取られてるみたいだけど」賭け事を得意不得意で考えている時点で縁遠いことを現しながら、両方の肩を持ち上げる様に少しだけ竦めてこの国の中でカジノに出向くことが多い住人の名を上げて。ゆるりと口元に笑みを蓄えれば片手をそろりと自らの頬に添えて「アタシはね帽子とか服とか、裁縫が好きなんだ」自らの好きなものについてを話せば「美味しい紅茶と美味しいお菓子を食べるお茶会も好き。綺麗な物を買う時も、身に着ける時間も好き。苦手なのは家事。料理も炊事もあんまり得意じゃなくてさ、同居人が二人いるんだけど男所帯だから似たり寄ったり……だ、から!家はあんまり綺麗じゃないんだ。先に言っておかなきゃね」思い出してよかったと言うように家の有様を頭に描き、庭園を抜けた事で澄み渡る森の空気を肺へと落とし「コロは賭け事の他に何が好き?」自分の事を知って貰うための話をしたからか、同様に自分もまた彼女の事を知りたいと今度は口を閉じて可愛い声が耳に届くのを待ち)
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