赤の女王 2018-06-06 13:39:59 |
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>オウム
人に助けを請う事は本意ではないが…止むを得ん、感謝しよう。(日頃から周囲の多くに構われ続ける暮らしの中に身を置いていても"いち早く自立する事"を目指す己にとって他者の力添えを自ら請う事には少なからず抵抗があったが、こうも説明のつかない状況に置かれてしまっては手も足も出ない。こくりと素直に頷きながら目線の高さまで降りて来た彼の真剣な眼差しを、己の表情を鏡の様に映し出す黒の瞳をじっと見詰め返しながら与えられる説明に傾聴する。然し、あまりに荒唐無稽な話の内容に所々口を挟みたくなるのをぐっと堪えなければならなかった。一体何の話をしているのかと、今にも彼の声を遮って降り掛かる理不尽へ抗議せんとばかりに顰められた顔の裏で、焦りと動揺とがばくばくと心臓を激しく脈打たせるのを鎮めることに躍起になっている。最も残酷であったのは、彼の眼差しにも表情にも声にも、何一つ己を揶揄い玩ぼうと言う軽薄な意思が感じられないこと。己を誑かし好きな様に操ろうとする大人など身の回りに幾らでも居たが、たった今出会ったばかりの彼はその手の部類では無いのだという事実が今この時ばかりは鋭い棘となって胸を刺す。気付けば下ろしたままの両の手は固く握り締められ、ふるふると小刻みに揺れる肩に彼が気付いてしまわないかと心配するだけの余裕も何処かへ溶けて無くなってしまったらしい。結局一切口を挟む事無く最後まで聴き抜いた言葉を懸命に頭の中で整理し、噛み砕き、一先ず区切りがついた所で深く深く吸った息をまた深く深く吐き出せば「…わ、……かった。分かったが、無論納得は出来ん。王を失う国難に、その民たる者達の心中は察するに余りあるが、我が国の民もまた同じ状況に晒されているのだ――」、愈々隠し切れぬ感情の起伏に褐色の肌を薄らと赤く色付かせながら、行く宛の無い思いを堪らず目の前の彼へとぶつけるに至り)
(/いえいえとんでもございません…!私の拙い表現でこれ程までに確りと汲み取って頂けて驚いております、本当に有難う御座います…!イメージはこちらでばっちりです、成長と共に髪も伸びて外はねの癖が更に強くなっていくような感じを想定しております!)
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