赤の女王 2018-06-06 13:39:59 |
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>悪魔さま
旦那様のいじわる。
(一言目を交わしてからずっと握られっぱなしの主導権、それに今更不快感など感じる由もないがせめてもの抵抗にツンとした声色で言い切って。彼はこの程度の悪態で憤慨するような器ではないと自分勝手に断じた上での大胆な反抗の後「そないに簡単なんやったら、旦那様以外ん方に訊きますぅ。」見目も職場もゴージャスな彼が求めるものはきっと自分には支払えない、そう決め付けているからこそ一度値を問うてしまえば更なる地獄に引きずり込まれる筈。この謎に大層未練は残るが、学びを乞うべき相手はきっと彼じゃない。そう片付ければ目の前の豪華絢爛な室内に視線を慌ただしくあちこちにやって「こないに立派な賭場は見たことねぇです。きっと一晩でえらい金額が動くんでしょね」彼は確かに胡散臭いが、生業であればそれなりに真っ当に此処を経営しているのだろうなんておめでたい考えにほうっと息を吐く。ぽわんと想像するのは此処の常連らしい翼の彼がジャックポットを引いた場面で、喜ぶ彼の顔ににへらぁと表情は緩み。従業員を散らすための咳払いには自分自身も十二分に注意を引かれ、憐憫の視線には愚かにも気付かぬまま「ん、ぇと」狼狽えるように視線を泳がせ、恥ずかしそうに口許は笑みの形を描いたまま「何飲むかなんて聴いてもらえたん初めてで。いっつも旦那様の飲むもんもろてましたから」酒類への造詣は深くないことを示すことで助け舟を求める。彼がおかしな酒を持ってくるかも、と懸念しなかったわけではないが、確証も無いのにそう断定するのは余りに失礼だし何よりこの後翼の彼が来てくれる。それを繰り返し思い出す度に都合よく徐々に警戒心は薄れ「__これはこん上に正座するもんでしょか?」ちょこんとソファの前に立ったはいいものの、初めて見る類の洋風家具に正しい作法が分からず、彼がどうするのかを観察しながらそわそわと問い掛けて)
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