赤の女王 2018-06-06 13:39:59 |
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>赤の女王(悪魔)様
(こんなに夢見心地なのはいつ振りだろうか。羽織った打掛が重かろうとも、土に混じる砂利が足裏を削ろうとも、柔らかで上等な絨毯の上を歩むような浮ついた心地で歩を進める。左の手首には、金に赤の装飾が付いた美しい腕飾り。少々サイズが合わず腕を動かすたびにカシャリと繊細な金属の音が鳴るが、その度に六本腕の彼の事を思い出せるのだから不満に思うどころか寧ろ幸せを何度もリフレインして。普段は着物の袖に隠れてしまうが、今は何度も何度も袖をずらしてはニマニマする、はたから見れば不審者まがいの行為を飽きずに繰り返し。加えて、懐には翼の彼に渡す土産もとい詫びと感謝の印も抱えているのだ。早く彼に会いたい、その一心で足を進めるが腕飾りに気を取られきちんと前を向いていないのが仇となったか。六本腕の彼が"グリフォンの家まで送る"と提示してくれた厚意へ下手に遠慮してしまったのが全ての始まりで、気付けば涙の湖すら見渡せる範囲には無く。歩けど歩けどランドマークが見えない事に気付いた頃には後の祭りで、はたと立ち止まり「__ここ、どこやろか」迷子になった事を自覚すればとる選択肢は一つ、迷子のアリスを案内する役割を担う翼の彼を呼ぶこと。けれど己のせいで彼の両翼が本調子でないことを知っている身としてはそれも憚られ、どうしたものかと立ち往生しているさなか、日も暮れかけて吹き抜けた冷たい夕風に晒された双肩はぶるりと震え"んくしゅ、"と小さくくしゃみを。冷えた両腕をゆっくりとさすりながら、進む方向を決めかね辺りを見回して)
(/ご快諾有難うございます、先行文だけ投下して当方も今夜はお暇させて頂きます。暖かいお言葉を有難うございます、次回悪魔様とお話出来るのを楽しみに休ませて頂きます。背後様もどうぞお体ご自愛下さいませ!)
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