赤の女王 2018-06-06 13:39:59 |
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>惣雨介
悪くないけど、森は行き先を迷わすから慣れるまでは一人で来ない方がいい。白の女王は首を撥ねるのが趣味だから危ない、カジノの悪魔はきみみたいな男を騙して連れてこうとするし、夜中の遊園地は……だめ。(何も知らないことが伺えるその問いかけに、目の前の彼が未だこの国に来たばかりだと言う事が伝わった。だからか、説明下手な口数の少なさながらにも肝心要の危険の地だけを掻い摘んで言葉にするその途中、遊園地だけは変化の少ない表情に僅かな強張りを作り言葉を閉じる。「後はよほどの事が無かったら大丈夫」顔を上げれば周囲は木木が広がるばかりの森を見渡す様に「もし迷ってもグリフォンを呼べばすぐに来てくれるよ」彼がグリフォンを知るのなら話が早いといざと言う時の助け舟も付け加えて。名前に置いて"二番"と複数あることに先ず驚き、薄いながらも興味を抱く。呼ばれる回数が多い名が"ひなと"本当の名前は"惣雨介"だと与えられた情報を大切なものとして受け止めて「惣雨介。良い名前だね」細められていた眼をすうと開いてからその名を繰り返し「此処にいると少しずつ昔の記憶を忘れちゃうから……”惣雨介”だけは覚えておくんだよ」同時に、アリスとの交流自体があまり多いとは言えない自分だからこそ教えられたその名前を覚えておくことが出来ると頭に刻みこんで「もしも、忘れそうになった時は……俺が覚えてる。聞きにおいで」目尻の皺を深く刻むと表情の変化としては薄いながら薄い笑みを現しているようで。そんな出過ぎた協力は彼が何気なく言葉にした"兄のよう"だと言った単語が強く背を押しているようで目線を合わせるために折っていた身体を正し。お代、と聞けば城に行けば無料で手に入る物に値を付けようとは思わずに口を閉ざし。然しかと言って此処で金がかからない旨を告げた所で彼が受け入れるのだろうかと言う疑念が一つ、ゆえに「金は城から入るから平気。だけど、グリフォンには運動するように伝えて」開いた唇が紡ぐのは代案とでも言うようなお代の内容で。火が怖い、直接的な恐怖に触れた事で彼の苦手を知る事が出来た。煙草を吸うに当たり必要不可欠な火を恐れるのに見たいと言う、それもこれも自分に甘えたいからなのだろうかと感情的な誰彼で有ればあっという間に絆されてしまうだろう柔らかな表情を薄めに見つつ「俺は、──水が苦手。泳げないから」唐突と自身の弱みを教えたのは彼が恐れる物を先に伝えてくれたからで。楽しい事がわからない、まさか自分としてではなくアリスとしての答えを探しているとは思わずにその返答に頭を傾け疑問符を「アリスは……惣雨介は何をする時間が好き」そうして言い換えるように教えられたその名前を言葉にし腹部当たりに生える腕を自らの首元に添えて)
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