赤の女王 2018-06-06 13:39:59 |
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>惣雨介
(ひらぱた、ひらぱた、と羽の開閉を繰り返し最初こそよろめくように覚束ない飛行が確りとした動きに変化し空へ羽搏いてあっと言う間に姿を消してしまう一連の蝶の動きを特に何をと言わずに見届ければ、当初の目的と言うように目の前の彼が何を求めて自分を探してきたのかと言う根本的なことへ思考を戻した。そうして伝えられたのは今この場にいない住人がどうやら怪我をしたらしいと言う情報と、それを幼子のように不安がる彼の心情。顔色一つ変えない乏しい表情筋だったが小さな呟きとして”ああ、”と納得したことを漏らせば「……うん、そっか。わかったよ」と頭の中で状況を組み立てる。もしも、二進も三進も行かないほどの怪我だったならば有無も言わずに自分を呼びつけているだろうし、こんな早くから何処かへ出向いていると言う事は恐らく彼が気づかない内に城へ出向いて薬なり治療なりをメイドに頼みに行っているのでは。そうして、きっと、今頃は何食わぬ顔して家に戻り逆に彼がいない事に戸惑っているのでは、とそこまでの考えを進めた所で「俺を探すこと、手紙か何かで残してきた?」面倒ごとに為らないようにと縋りつくように腕に絡む彼へ何とも温度差の開いた自分ペースの返事を送り、もう一本の腕を伸ばせばその手で彼の頭を掴み親指の腹で眉間あたりを二度ほど撫でて「グリフォンはどうして翼が痛いのかわかる?」余りにも淡々と、それでいてゆっくりと続けるのは簡単な問診で「血が出てたとか、木にぶつけたとか、そういうのがわかったら教えて欲しいな」見ているだけでも伝わってしまう可哀想な不安や恐れを知ってか知らずか、飽く迄も冷静さを欠くことなく落ち着き払った雰囲気で額を撫でた指を離してから「一人で来たの、偉かったね」見目だけで言うならば決して幼い訳じゃ無い彼の姿、それも自分からすれば子供の一人と言った括りなのか。グリフォンの為に少ない情報量の中で自分を探していた彼を思えばこその率直な感想を最後の締めくくりとして結び)
(/こんにちは!お越し下さり有難う御座います!ぜひとも続きよりお相手頂けると嬉しいです…!本日もお時間が許しますまで何卒宜しくお願い致します!)
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