赤の女王 2018-06-06 13:39:59 |
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>鼎
(吸いついた肌は元の色が薄いからだろうか、一つだけ残る赤色がいやに目を引く色っぽさを生んでいて。白い肌へ赤い痕、それを自分がつけたと言う征服欲にも似た感情がより一層と事実として残り、初心な少女に手を出した証拠のようで満たされてしまう。戸惑いに揺れる瞳も、照れ隠しのように肩を叩く刺激も、全てが子猫のじゃれつきのようで可愛くて仕方がない。見た目こそ目を奪うような可愛らしさと美しさが万華鏡のように角度によって濃度を変えて見せつけてくるのに、照れるその様は幼い子供の用で愛らしい。文字通り追い出されてしまえば愈々我慢することが出来なかったようで声高らかにわはははは!と豪快な笑い声を上げて。唇を大きく開くような笑い声は衣装館の中でようく響き、扉越しに届く罰の可愛いことよと「お嬢さんからの罰ならば甘んじて受けるしかないなあ」なんて調子の良い返事を返し、足音がその場より少しずつ遠のいていった。それにしても、と思い出されるのは扉が閉まるその瞬間に少しだけ覗いたほんのりと赤く染まった顔。これは、これは、思いがけずに良い出会いを見つけてしまったと意識せずとも機嫌が良くなってしまうのも仕方がないと開き直る。先ほどの衣装を思い出しながら迷うことなく選んできた一足は、革張りだが殆どの面はクリアに透けておりレザーの艶が強くも美しい印象を与え、編み込みの紐の中心、結ばれたリボンの中心には綺麗な石がまるで彼女の為のデザインのように片側がルビー、片側がサファイアと片方違いできらきらと輝いており。その一側を持って再度試着室の前へ戻ると「お嬢さん、可愛い顔を見せてくれないか。罰は十分に受けたつもりなんだ、お眼鏡に叶うかどうか見ておくれ」気に入らないかもしれない、なんてことはほんの少しも考えていないらしい。自信満々なその雰囲気で扉が開くのを待ち)
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