アリスは憂鬱な夢を視る　/　半無登録、指名制　/　NBL　/

＞鼎

───白兎。(少女らしい無垢さや初々しさを確かに感じていたのだから今目の前の彼女がどんな反応を見せるのかと言うのは何よりも胸を擽られる項目らしい。頬を寄せても視線は彼女のことを盗み見るように横目に捕らえ、戸惑うような途切れ途切れの言葉さえもが愛らしいと笑ってしまいそうになるのを堪えるのに必死だった。そんな時に上がったのはよもや彼女から上がるにはあまりにも意外な人物の名前、融通が利かないほどの生真面目な男がどちらかと言えば自分に近しい空気感を持つ彼女と接点が有るなんて、とその意外性から少し丸くした瞳にて言葉を繰り返す。少しだけ顔を上げれば改めて向かい合うように、気をつけなければ吸い込まれてしまいそうになる大きな目を覗き「アリスは白兎を知っているのか。やんや、あいつは生真面目でならん。少しは自由な発想を持たなければいけんよと常日頃教えるんだがね、あんなに立派な耳にも関わらずいっさい届かんのだよ。」先の色は何だったのかと言うほどに軽い調子の世間話をツラリツラリとお喋りな口が忙しそうに動き。然しそれさえも油断を作るべくためなのか、ジャケットから覗くきめ細やかな肌、鎖骨と胸にかけたその隙間に唇を寄せてわざと痕を残すキスを。白い肌に赤が残れば満足気に艶を持った微笑みで「そら、この衣装にはこっちの方がよぉく似合う」と残した赤を親指の腹でつーぅ、と滑らせるように撫でて。とは言え白兎に関わりが有るアリスならばこれ以上は頂けないと名残惜しさを確りと胸に残しつつ「降参、今日は此処までにしよう。白兎に睨まれては得がないからな」両手を降参を示すように軽く持ち上げること数秒、落とした鍵を開いてああ残念とわざと聞こえるように呟いて)