赤の女王 2018-06-06 13:39:59 |
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>仔鹿
!…良いのか。
(城へ行く事は確定だと信じ切っていた所へ急な方向転換、相手の言葉で重苦しい気分から解き放たれ少しは舌が回るようになったのか「幾らでもこき使え、今はこんなだが体力は有る方だ。…まあ、出来は保証できねえが。」肩を貸してもらっている状態では説得力皆無の体力自慢と、相手が言う様な家事への自信は無い事をゆるゆると語って。「…変に楽させられる方が、苦しくなるもんだ。」自分にとっての楽は、毎日決まった時間に寝起きして美味くも不味くもない食事をとり、自活できる程度の金を稼いだら後は家に篭って過ごすだけ、という元の場所での生活。それ以上を求めても居ないのに渡されても持て余すだけだと、相手の忠告に首を振って。可愛らしく色付いた頬と、ウロウロと視線を彷徨わせる様子に冷え切った胸の奥がほんの僅か熱を持った様な気がした。一瞬だけふ、と普段の皮肉じみた所が抜けた笑みを浮かべ、進行方向へ顔を動かしては「…家は、森の中なんだな。」徐々に薔薇の香りが薄くなってくるにつれ見えて来た深い緑の中を指し、鹿ならば森の中に住んでいても何も不思議は無いとばかりに確認の様に呟いて。)
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