匿名 2018-06-05 23:32:38 |
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( 現在の時刻は午後2時。己は先に昼食を済ませたので彼の分だけ作ろうと思えば、昼時という事もあり夏の定番のさっぱりとした素麺を選び。早速準備に取り掛かりつつ、一応付け合わせの天ぷらも作れば完成して。其等をお盆の上に載せていくと最後に冷たいお茶が入ったコップを添え、両手で持つと慎重に運んで行き。大広間に着くと片手で襖を開けて中へ入れば「お待たせ。口に合うと良いんだけど…」とテーブルの方へ歩み寄ると、彼の目の前にゆっくりと置いて )
ああ、礼を言う。
(しばらく彼が来るのを待っていると、そっと襖が開けられ広間へと入ってきて。自身の前に置かれた食べ物は遠い昔に見た事があるようなもので。しかし、自身だけのためだというのにこんなに豪勢なものを作ってもらえるとは思ってもいなかったようで嬉しさの余り尻尾をおおきく振りつつ、手を合わせては早速素麺を口へと運び。サッパリとしていてとても食べやすく「…美味い、美味いぞ燭台切」と嬉しそうにそう言って)
それなら良かった、君の口に合ったみたいで。
( 向かい合う形で正座をすると眼前で早速素麺を口に運んだ仕草をじっと見詰め、料理に関しては皆に振る舞う程に自信があるも彼には初めてな為に隻眼に不安の色見せ。然し其の心配も杞憂に終わり、己の料理が美味だと褒め言葉を貰えれば判り易くぱあっ、と表情を明るくさせ嬉しげな声色で上記を述べた後ほっと安堵して )
(初めて食べたものはどれも美味しく、時々彼と会話を交えながらあっという間に完食して。満足した様に腹をさすれば「燭台切はすごいな、こんなに料理ができるとは思わなかった」と意外と思っていたのかそう言って)
ふふ、有難う。僕の元の主──政宗公は料理が好きな人でね、其の影響を受けたんだと思う。
( 会話を続ける中、矢張り目の前で美味しく己の料理を頬張る顔を見るのは好きな方であり。目元を緩めて笑みを作り乍綺麗に完食された皿を見遣ると嬉しそうな様子露にしつつ、話の流れで元主である " 伊達政宗 " の事を思い出し話す時の表情はどこか優しげで )
前の主の影響か…良い所が影響してたのだから良かったんじゃないか?
(前の主に嫌な思いをする者など居るはずはなく、目の前の彼も例外では無かったようでどこか優しそうな表情を浮かべていて。俺も家臣でもない奴に下げ渡されていなければこんな顔を出来てきたのだろうか、等とぼんやりと考えながら彼の話を聞いており)
そうだね、政宗公には感謝してるよ。
( 其の言葉に深く頷いては、前主のお陰で同じ様に人の身を得て皆に料理を振る舞う事を好きになれた為然う述べて。彼の食事が終わったのでお盆を下げようと両手を伸ばして此方側へ引き寄せ、毎回新たな仲間を迎える度に歓迎会を開くというルールが主の一言で正式な形となった様で。正に今日は歓迎会を開くに該当する日、未だ此の事は彼に伝えてないので知る由も無い筈。そろそろ此処に準備を開始する為に非番の者達が遣って来るので「……さてと、僕は洗い物をしに厨に行くけど君はどうする? 部屋で休むかい?」と尋ねて )
そうだな、部屋で過ごすとしよう。
(彼にこの後の予定を聞かれると、さてどうしようかと暫し考え。まだ本丸に来たばかりなので自身に出来ることは無いだろう、そういう事は手順通りにしていけばいいと思っていて。となると、自室で過ごすという案しか思い付かずにそう言うと立ち上がって)
判った。じゃあ、また後でね。
( 今は未だ本丸内を案内したのみで内番や他の仕事など特に指導した訳でも無く、自室で休むならば彼の見た目で何か問題を起こす事は無いだろうと内心思えば己も立ち上がり。お盆を両手で持つと彼の顔を見て然う言うや否や、先に大広間から出ては再び厨の方向へと進み )
(燭台切と一度別れ、自身も広間を出て自室へと戻ればゆっくりと過ごしていて。軽食も食べ終え、満腹ということもあってか、部屋に入り込んでくる日向の温かさを感じ心地良いものだと思っているとそのままいつの間にか壁に寄りかかるようにして眠ってしまい)
( そして時間が流れ、時刻は夕方の6時。歓迎会の準備で本丸内は他の刀達の話し声が響く中、一方の己を含めた厨番は完成した料理を会場である大広間へ運んだりして。飾り付けや料理の準備もバッチリで後は主役の長谷部を此処に連れて来るだけ、其の大役をお世話係の己が任され。一度会場を後にし彼の部屋の前まで来ると襖越しに「──…長谷部くん。夕餉の時間だよ」と声掛けて )
ん…燭台切か?
(あの後、部屋の前を駆ける短刀達の足音にも気付かぬほどに熟睡しており、ようやく目を覚ましたのは彼の声で。ピク、と耳を動かしどうやら相手は夕餉の時間だとわざわざ教えに来てくれたようで立ち上がると襖を開けて小さく欠伸を漏らしながら部屋から出てくると「わざわざ呼びに来たのか、すまないな」と告げ)
ううん、気にしないで。
( 眼前の襖が開くと寝起き姿の彼が現れ、あの後眠っていたのかと思いつつも軽く小首を振り。今日の主役である彼の事を大広間で待機している仲間達の為にも急いだ方が良いと悟られぬよう平静を装い乍も「皆待ってるよ、行こうか。」と誘導する様に歩き出して )
(彼に誘導されるまま大広間へとやって来て閉められていた襖を開けると同時に短刀達が紙吹雪を散らしその他の仲間たちが一斉に歓迎の言葉を投げかけてきて。これは何だ、と言わんばかりにあっけに取られた顔をしてそれを表すかのように耳も尻尾も頻繁に動いていて。隣にいた燭台切に「お、おい…」と答えを求めるように言って)
ふふ、驚いた? 君に内緒で皆で準備したんだ、此の本丸では新しい仲間が来ると歓迎会を開くのが決まっているからさ。
( 上手くサプライズが成功し、案の定隣で驚いた様子を現した其の表情を見ると状況を把握出来ていない長谷部に此処の決まり事を説明して。ふと徐に先に中へと入ればくるり、と彼の方に体を向けて「僕からはまだ言ってないよね。──長谷部くん、本丸へようこそ! 君を歓迎するよ」と柔和な笑みを浮かべて歓迎の言葉を添え )
っあ…その、よろしく頼む
(この本丸では新しく来た刀剣を歓迎する習わしがあるようでやっと理解するとあまりの嬉しさに尻尾を大きく振っており。まさか歓迎されるとは、と思っていると隣にいた彼が先に中へと入りこちらを向いたと思えば改めて歓迎の言葉を掛けられて。ふわりと柔らかな笑みを浮かべると何処か照れつつもそう言って)
さっ、冷めないうちに食べようか。
( 一日目にして早くも笑った顔が見れると嬉しくなり更に笑みを深め、後ろで食事の催促が耳に届き冷めてしまえば折角の料理が台無しだと思い。ぱんっ、と手を叩き全員に向かって上記を告げ、其の声を聞いた途端、待ってましたと許りに早速酒の瓶を開ける者や取り皿に料理を乗せて味わう者達で賑わい始めて )
(ここで立っていても食事が始まらないと催促されては促されるままに空いた場所へと座ると同時にあれもこれもと皿に入れられて食事をしながらそれだけで飽き足らずに酒も注がれては飲むを繰り返していくうちに気分も良くなってきていて)
( 何時にも増して歓迎会という事もあってか賑やかな食事になりつつ、適当な位置に座って己も料理に手を付け仲間達と会話交え乍も酒を注がれたグラスを受け取り。本当は断ろうかとも思ったが翌日に支障を来さない程度なら問題無いので、少し酒を飲めばちらりと彼の方へ視線向けて「長谷部くん、どう?楽しいかい?」とゆるり小首を傾げて問い掛け )
ああ、すごく楽しい。
(黒田や織田にいた頃の刀剣達も既にこの本丸に来ていたようで、懐かしんでみたりと話をしていると不意に燭台切が宴会は楽しいかと訪ねてきて。こんなのが楽しくないわけがない、パタパタと尻尾を振り彼の言葉に頷いては酒も程よく回っているようでふにゃりとした笑み浮かべて)
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