小説家 2018-05-27 13:15:22 |
通報 |
──…嗚呼、良かった。目を覚ましたんだね…気分は?
( 腕の中に抱いた微かな重み、少女を布団に寝かせ、目を伏せたままの顔に掛かった髪を耳へと掛けてやると桶と手拭いを取りに一度部屋を出て。一体何処から来て、何故門の前に倒れて居たのか、医者に連絡した方が良いだろうか。色々なことを考えながら、一式を持ち襖を開けて部屋へと戻れば、いつの間に目覚めたのか黒曜石のような瞳を此方へと向ける少女と目が合い、優しく微笑み掛けて。その瞳が、同じ年頃の少女のあどけないものよりも何処か大人び過ぎているような、少し暗い色が浮かんで見えたのは気の所為か。何を問い詰める訳でも無く、まずは汚れを落とそうと水に浸して軽く絞った手ぬぐいで相手の顔をそっと拭い )
トピック検索 |