小説家 2018-05-27 13:15:22 |
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──…、
( ゆらり、ゆらり、と宛ら赤子を眠らせる為の揺籃に優しく揺られている様な心地好い不思議な感覚を、憔悴し切った身体と朦朧とした意識下でも微かに感じ取っていた。然し彼の腕の中で揺られている間は僅かにでも瞼を動かす事はなく、薄い着物に包まれた白く細い体を呼吸と共に小さく上下させるのみで。── 何時間、否若しかすると何分かも経っていないのだろうか。震える様に薄らと開かれた黑の双眸が初めに映し出した物は、見慣れぬ高い天井。己がとある一室に横たわっている、と最低限の状況をぼんやりと理解し、次いで幾度か瞬きをした後、身体は横たわらせた侭徐ろに顔を横に向けては今居る場所を把握せんと目視出来る範囲を隅々まで見遣り。 )
( /絡みづらい等なかったようで安心致しました。はい、それでは此方も一度退がらせて頂きますね。 )
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