助手 2018-05-23 21:25:11 |
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──そんな訳があって堪るか、君みたいな酔狂な患者がもう1人くらいいたんだろう。それか、彼女たちの妄想だ。
(声を潜めつつそう反論したものの、診察室のドアすれすれの壁に押し付けられると流石に息を飲んだ。こんな場所で、少しでも物音を立てれば、あるいは位置がずれれば彼女たちに見られてしまうのだ。今度はこちらが相手のペースに飲まれる番だった。声を漏らさないように必死になるせいで唇からは甘い吐息が溢れる、彼に壁に押し付けられたままそれをやめさせることも出来ずになすがままだ。静かな診察室に響くリップ音が一層頭を靄がかからせる。暗い室内で、わずかに差し込んだ光に照らされた瞳が扇情的な色を浮かべた。)
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