助手 2018-05-23 21:25:11 |
通報 |
…やあ、奇遇だな。随分機嫌が良さそうじゃないか。
(ぐるぐると頭の中で先ほどの光景が回り続け、苛立ちは募るばかり。不意に隣から、あの甘い微笑みを浮かべていた男の声が聞こえてくればそちらを見ることもなく気の無い返事を。声の方に視線を向ければ、あの奇妙な格好をした男が立っているのだ、決して目を合わせるまいと。しかし女性の付けていたであろう甘い香水の匂いが、そちらを向かずとも彼から漂っていて眉間の皺は一層深まる。明るく声をかけてくる彼が、今はデート帰りでご機嫌なのだとしか感じる事ができなかった。彼を引き離すようにスタスタと普段よりも早足で家へと向かえば扉を開けて階段を登っていく。「お帰りなさい、今日は2人とも遅かったわね。ジョン、あんまりドスドス歩かないでちょうだい。」と下からハドソンさんの声がして、一層気持ちのやり場がなくなり苛立ちを募らせた。)
トピック検索 |