〈 空ノ部屋 〉

＿＿取り敢えず部屋は完了。後で報告しに行かないとな。にしても見事に殺風景な部屋だ。( ははっ、と自嘲気味に笑い )…明日も仕事だし疲れたから風呂入ってこよ。

＿＿ふう…風呂気持ち良かった…。でも自室って結構暇だな。寝るまで何する訳でもねーし…( 体を火照りさせながら自室へ入り ／ ベッドの上に胡座かき )

＿＿ここは独り言の部屋かよ！( 枕を叩き付け独り突っ込みを入れ ／ ← )…もう０時じゃん。新しい部屋だからかな…眠れない…。( どさりと仰向けに寝転がり ／ 天井を呆然と見つめ )

( 風呂上がりの濡れた髪を拭きながら部屋の前を通りかかり )…こーんばーんは。幽霊ですよー( 軽くノックし / 部屋の外から呼び掛け )

＿＿えっ、えー！？何…ここ築何年だっけ。俺霊感とか無いんで！( びくりと身体を反応させ咄嗟に声を出し )…ん？…この声聞いた事あるぞ。( 冷静に考えてみるも、もしかしたら幽霊かも思い枕を抱え扉を開き隙間から見つめ )…本当に幽霊ですか？

!?( 扉の向こうから想像以上の反応があると咄嗟に開いた扉の死角へと移動し )あっはい、幽霊ですー。お迎えに上がりました( 裏声 )

えっ…俺死んだ？いつ死んだ！？( 扉を勢い良く開け ／ 左右を見渡し )…って、浅葱じゃん…本当に吃驚したわ…。ミステリー作家が構成でも練ってんの？( 本人の姿を見れば胸を撫で下ろし ／ 少し軽蔑した目で見つめ問い掛け )

ふはっ、いやいや、こんな時まで仕事の事なんか考えてねぇよ( 相手の反応に吹き出し / 笑いながら首振り )廊下歩いてたらお前さんの部屋から怪しげな物音がしたから声掛けただけ( くく、 )しっかしお前さん、面白ぇなぁ。

笑い過ぎだろっ！本当に幽霊かと思ったんだからな。( 自分の言動に羞恥心が生まれ ／ 顔を真っ赤にし )…物音？ああ…気にすんな。あはは…( 独り突っ込みが外に聞こえていたと思えば笑ってはぐらかし )…髪濡れてんじゃん。外で話すのも何だし、温かい飲み物でも飲んで行くか？

悪い悪い。顔真っ赤だぜ( にや / 自らの頬指差し)?…そうか( 頷き )あぁ、今風呂入ってきたとこだったからな。お、良いのか?飲む飲む( へら )

誰のせいだよ…ったく。物音は幽霊じゃない事は確かだ。おう…何にも無いけど入れよ。( 扉を開け先に部屋に入れば ／ シンプルに家具が配置され )＿＿珈琲と茶があるけど、どっちにする？

俺だってお前さんがあんな良い反応しなきゃ続行しなかったぜ( 頬緩め )ふは、そうだな。幽霊の正体は俺だ( 頷き )お邪魔します。…ん、まぁ片付いてるで説明付かねぇくらいには殺風景だな。この辺に俺の本を保管するスペース作ったらだいぶ生活感出るんじゃねぇか?( 室内見渡し / 空きスペースに両手で四角形を示し )俺珈琲が良いー。

ついに俺も幽霊デビューとか思ったら…皆には内緒だかな？( 頬を掻き )お茶目な部分もあんだな、浅葱の声も様になってたぜ？( くく )…家具は今から揃えるんだよ。ああ…でも浅葱の本読んで良いなら置いてもいいぞ。( 相手の提案に頷き ／ ドリップした珈琲を淹れコップを差し出し )ん…身体を冷めない内に飲めよ。つか髪自然乾燥？

ん、わかったわかった。誰にも言わねぇよ( 自らの口元に人差し指持っていき / くく、 )おま、…そこを掘り返すのは卑怯なんじゃねぇの( 苦い表情浮かべ )え、まじで?置き場所無くて困ってたんだよなぁ。ていうか、俺の本読んでくれてるわけ?( 首傾げ )すげぇいい匂い。ありがとな。…ん、面倒臭ぇし( カップ受け取り )

本当に内緒だからな？先生がまさか幽霊の真似をするとはな。なんか…互いに弱味を握ったみたいだな？( 思わず吹き出し笑い ／ ふは )ああー…録音しとけば良かった。読んでるよ、確かここに…あった！これ全部そうだぜ？( 何冊か棚から本を取り見せて )せっかくだからな…面倒臭いって風邪引くぞ？( 肩に掛かるタオルを頭に乗せ ／ 優しく拭いてやり )

ふは、確かに。事実の隠蔽は完璧だ。…ていうか、同居人に先生はねぇよ輝空くーん( 額つん )お、お前録音なんてしたら一方的な弱みじゃねぇか…。うぉ、ほんとだ。こんな持ってんのか…、どうもご贔屓に( 何処か嬉しそうに頬緩め / 棚に並んだ本眺め)引かねぇよぉ、このスタイルでずっと元気だったんだし。…うわぁ、俺人に髪拭いてもらうのなんか子供ん時ぶりだ( 心地良さげに目伏せ )

＿＿口にしなきゃ完璧だな。( にやり )でもよ、有名な作家だし。浅葱先生の方が良くないか？( 額擦りながら ／ 双眸瞬き )あ…そっか。でも俺の頭の中には再生されてるけどな？( くく )まさか一緒の住人になると思わなかったぜ、本も浅葱に出会えた事も人生の宝だな。いつでも置きに来て良いからな？( 本を棚に戻し ／ スペースを指差し )それって良いのか悪いのか分からねー。懐かしい感じか？取り敢えず乾いたと思う。( ある程度拭き終え ／ 肩にタオル掛けてやれば頭を一撫でし )

等価交換だ、絶対口外すんなよ( くく、 )良いんだって、そんな身分じゃねぇから。それにお前さんに距離置かれてるみてぇで嫌だし( へら )…良いよ、俺の頭の中だってお前さんのビビり様が再生されてんだからな( む、 )えぇ、そんなストレートに言われたら照れんだろぉ。ん、ありがとな( 頬緩め / 頭ぽふ )お、さんきゅ。ふは、お前さん人に触んのが上手いな。慣れてる感じがする( 目細め )

＿＿こう見えて口は堅い方だから安心しろよ。( 親指立て ／ 口角上げ )ああ…んなら、浅葱って呼ぶな？…ビビり言うな！本には書くなよ？( じと見つめ )浅葱も皆にも出会えた事に感謝しないといけないと思ってな。( にっと笑えば ／ 微照 )そうか？普段は撫でたりしないけどな。( 己の掌を不思議に見つめ )

あぁ、その点は信用できるな。お前さん約束は守るタイプって感じだ( ふむ )おう、それで頼む。書かねぇよ、公私混同はご法度だからな( ふは )そんな事、思ってても口に出す奴早々居ねえよ( 微笑浮かべ )へぇ、なら俺は貴重な体験をしたわけか。せっかくだしもっと撫でといてくれよ( くく、 )