かなえ 2018-04-29 00:18:10 |
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……お前が木から降りられなくなったら私が助けてやれるが、お前が私を助けるのはちと厳しいと思うぞ(背中を伸ばし歩幅は大きく。指先一つにまで神経を張り詰めなければ父の代からの部下にはそう認めてはもらえない。鋭い眼差しは女当主への嫌悪ではなく、己が従うに相応しいか見極めるものであるから恐れるには必要ない。とはいえ、毎度これに晒されるのは肩が凝るもんだと、鉄面皮の下胸中で溜息を漏らし。無駄に広い屋敷の無駄に長い廊下を行く途中、何か楽しい事でも考えて気を紛らわそうかと先程の出来事を振り返ればふと己が降りる瞬間の彼の動きを思い出して、真面目な顔付きのまま隣にだけ聞こえるよう今更ながら一言ぼそりと上記を口にして。)
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