桜 2018-04-27 07:32:15 |
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「コスプレイヤーだ」
「本当だ!いい歳して恥ずかしくないのかなぁ____?」
俺と義兄を目にした子供達が物珍しそうに、けれど驚いた様子もなく言った。
そういえばここ幾年、着物など着ている者を目にしなくなった。たまにちらほらとはいるが____。それでもコスプレに見えるのは普段目にしない様な種類や色のものだからだろう……。
「コスプレイヤーと思われていますねぇ……。まぁ、都合が良いです。」
「ね。コスプレじゃないけどたしかにこれコスプレしてると思うよね。きみの角とか。」
「昔は鬼を見れば子など怖がって親に泣きついたものですが____時代が違いますね。」
むしろ俺達が物珍しがりながら子供達を眺めていると、その一人がこちらへやって来た。
「コスプレじゃないって聞こえたけど____本物?」
「えぇ。____いえ、コスプレです。私のほうは。ほら、角があるでしょう?鬼になっているんですよ。」
「____あ、俺はコスプレじゃなくて、これ私服。ちょっと外国から来たんだ。」
「外国人?日本語うまいのに?」
近寄って来た子供は感心した様子だったが、寄って来ないほうが訝しがり、そう言った。
「日本語が上手い外国人などいくらでもいますよ。上手いかたにあったのは初めてですか?」
「____ううん。いる。知ってる。日本語うまい外国人、いた。」
義兄の質問に近づいては来ないもう一人の子供のほうが答えた。
その二人の子供達としばらく話し、またこの場で会う事を約束した。
(続く)
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