案内人 2018-04-10 23:55:42 |
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▼リストをぬすむ
記憶を刻むには…?経験すること?共有すること?うーん…
(半分正解、つまり答えには届いていない。帽子屋の言葉の意味が分からずポツポツと浮かんだ言葉口にしてみるがどれもピンと来なかった。翔が考え込んでいるうちに帽子屋は席を立ち、お茶会には一瞬の静寂が訪れる。ふと帽子の中の空洞が頭の中によぎる。そこから湧水のようにある考えが溢れだし翔は小さな声を漏らし始めた)
…体だ。記憶を刻むには刻む場所、体が必要だ。でも帽子屋に頭はない、だから記憶を刻めない……帽子屋が時を刻むには、あと首が必要なんだ
(そこまで言って自分の首を押さえる。そしてリストを思い出す。名前の横にはそれぞれ体のパーツが書かれていた。もしそれがそれぞれの人物から頂戴する場所だとしたら…帽子屋は翔の首を狙っていることになる。今はここから逃げ出す絶好のチャンスだ。真っ暗な平原を歩くのは気が引けるがこのままここにいれば殺される可能性が高い。チシャ猫によれば真っ直ぐ行けば白うさぎのもとにたどり着くのだ、この家を迂回し真っ直ぐ歩けばいいだけだ。だがこのままこの家から去ってしまえば何も得ないままここから出てしまうことになる。少しでもこの世界を知る術はないか…ちらりとテーブルに置かれたリストを見やる。あれを手に入れて何か分かる保証はない。しかし情報を得たいという思いと何が書いてあるのか知りたいという好奇心を押さえることができず、翔はゆったりとした足取りで、まるでお茶でも取ろうという動作でリストに近づき手を伸ばす。リストを掴み、それと同時、翔は庭から飛び出そうと足に力を込めた)
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