案内人 2018-04-10 23:55:42 |
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あ、あぁごめん。僕時を奪われた経験なくて…失礼なこと聞いたよ
(アリスの名をだせば万事うまくいくかと思ったがそういうことでもないらしい。成功後の失敗、またやらかしてるなと心の中で思いながら瞳のない帽子屋の顔、正確には帽子を真っ直ぐ見返した。帽子屋の問いはきっと訳のわからない類いの問いじゃない。何かしらの意味がある問いかけだ。ゲラゲラ笑う三日月うさぎをちらりと見たあと、先ほどお茶が落ちていった場所へと目を向けた。テーブルの上はぐちゃぐちゃ、本来ならばテーブルの上は整然とお茶会の準備がされていたはずだ。時を止められた男にランダムに乱されたお茶の席…ふと翔にある考えが浮かんだ)
…本当はそこにあったのか?君は何もないところにお茶を注いでると思ってた、でも本当は…このテーブルがむちゃくちゃになる前は、そこにカップがあったの?君は時が止まり同じ行為を繰り返すけど、三日月うさぎのせいでカップはなくなってる。だがらお茶をカップに注げない。君はカップがないのに気づけないか、見えていないのか、あるいは気づいているのに繰り返すのか……首がなくなると、時が止まるの?
(刺々しい言葉を投げられ拒絶されたにも関わらず一度浮かんだ考えは口に出さずにいられなかった。時を止められた首のない帽子屋…そこまで考えて、リストのことが頭に浮かぶ。アリスの横に記されていた『首』という文字…もし翔が帽子屋のように時を止められてしまったら、永遠にこのお茶会に縛られてしまったら、家に帰ることは永久に叶わなくなる。すっと血の気が引いた気がした。翔は思わず立ち上がる。このお茶会はきっと参加してはいけない)
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