♡ 2018-04-01 01:53:27 |
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( 終わらない。早くしないといつものように一緒に帰ることはできないかもしれない。そんな風に焦燥にかられているのは周りの作業の遅さゆえで。焦ったら焦ったで丁寧さを欠いてしまうから、急ぎすぎるわけにはいかないのだ。早く、早くと焦っているのは自分だけなのかと呆れそうになる。教室の外に出るとクラスメイトと共に外装を華やかにする造花やシールで飾り付け、廊下にはメニューも貼り出して。内装はいまだ終わりそうもない。カフェと言えど決まっていないことが多すぎる。そんな中でポケットの中で震えたスマホを取り出せば、そこには彼女からのメッセージが。『ちょっとクラスが壊滅的なので今日は厳しいかもしれないです。廊下で待っていて貰えますか?』『長くなりそうだったら先に帰っていても大丈夫です』時間のなさも相まってか普段よりも真顔で返信しており、それを誤魔化すように申し訳なさそうなポチャッコのスタンプを添付。素っ気なくするのはいつぶりだろうか。こうして一緒に帰れないと断るのは、もしかしたら付き合いたてかその前だったか。本当は一緒にいたいという気持ちが大きいからか心には確実にもやが掛かり。隠すつもりが思わず溜め息が漏れて )
だめだな、こんなんじゃ……
◎
( 握り返された手の温もりに嬉しくなるのはデートが久しぶりだからだろうか。最近はそんなにずっと一緒にはいられなかった、だからこそこうして隣にいられるのがとても楽しい。しかしながらなぜか自分の妹と彼の姉の方がイチャイチャとカップルのようになっているのはなぜなのだろうか。とはいえ、人になつかないタイプの妹があまり嫌そうにしていないのは微笑ましいのだが。それらが重なり頬が緩むのがわかる。大好きな人たちと、大好きなキャラに会いに大好きな場所へ行けるのだ。これを幸福と言わずして他のどの言葉で表せるというのだろう。建物へと近付くにつれてわくわくが高まり。実際見えてくると初めてではないのに凄い、大きい!と思うわけで。オタク全開な彼の姉の言葉は一部スルー、一部反応するという形にしておき )
「私も雛さんと来れて嬉しいです。こういうときじゃないとなかなか一緒に来れませんし」そうだよね、私も三咲と二人で来るのばかりだから新鮮。
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