龍と太陽

(どうやら自身のひとことにより大抵の生徒は察したようで、またもザワザワと騒がしくなる前に教師がやってきては静けさが戻ってきて。普段通りに授業も終わり帰ろうかと思うもいつの間にか周りには人が集まっていて“長義のどこが好きなんだ”“どっちから告白したのか”“どこまでやったんだ”などと続けざまに質問されてはため息をついて「…うるさい、あんたらに答える義理はないだろう」と早く帰りたそうにしていて)

――!えっ…い､いや…それは…
(此方も授業が終わった瞬間､ぞろぞろ回りを囲まれ逃げられないようにされてしまい｡彼同様に同じ質問を投げられては"そんなの答えられるわけないだろっ"なんて断じて質問に答える気はない態度を取るも質問を変えられ"じゃあ相州に襲われた?"との質問に「は､はぁ…?!」と大袈裟な程に反応を表しまたもザワザワ騒ぐクラスメイト達は止むことはない)

何をしようが俺の勝手だ。口出しされる義理はない。
(他人の恋沙汰に首を突っ込んでくる意味が分からず、こちらの答えを聞けばそれだけで飽きずに他にもと質問攻めになれば最初こそうんざりとしていたもののしつこくなってくると段々と不機嫌になってきて。上記を述べると強引にその輪から脱出し、彼の方へ近寄れば「帰るぞ」とだけ言って自身はそそくさと教室を出ていき)

っ､ああ…!すまない｡そういうことだから…､
(そそくさと教室へ出てしまう彼の後ろ姿を追いかけまいとその輪から無理やりに出ては教室を後にし｡廊下を進み彼の姿を捉え「相州」と声をかけて)

…何だ
(先に教室を出て廊下を歩いていると間もなく彼もやってきたようで、声を掛けられては足を止め振り向き首を傾げて)

あっ…いや…その…大丈夫か?
（突然足を止められると肩辺りに地味に当たりつつ恐る恐る彼を見上げ。あの時のことがあったこともあり機嫌を損ねているのではないかとそう気遣いの言葉を掛け）

(どうやらこちらを気遣ってくれていたようで、その言葉を聞けば「別に平気だ、あいつらは…少し騒がしすぎる」と呆れたような口調でそう言って)

…後々落ち着いてくると思うぞ、彼奴らの場合。今はまだ…あんな感じだろうがな。
（今日だけはどっと疲れがでてきたように思い深い溜息を吐き苦笑いを浮かべそう述べて。上履きを靴に履き替え彼が来るのを待ち）

(それもそうか、と彼の言葉を信じる事にしては靴を履き替え学校を後にして。今日はバイトも休みのためそのまま家に向かい)

…じゃあ俺はこの後バイトだから…またな。
（他愛のない会話をしつつ家に辿り着くまでの間彼と別れそのままバイト先へと向かい。そのバイトは夜を過ぎた頃に終わり”お疲れさまでした”と言葉を掛けてからバイト先を後にし家へと向かって）

…クソっ
(彼と別れてから家に戻るも、学校で噂は広まっていたようでそれについてなのかグループトークの通知が一向に収まる様子がなく流石に苛々してくると通知を消してはいつもよりも疲れた気がしてソファーに横になって。いつの間にか眠っていたのか目を覚ませば夕方で夕食を済ませると家事を終わらせゆっくりとしているといつの間にか夜中になっていて)

?…えっ…な、なんだこれは…?!
（まさかそこまで噂が広がってしまったなんて知らずにスマホの電源を付けてみればグループトークからの通知が収まることなく一向に鳴りやまぬ音。グループトークはそのことでヒートアップし始めるばかりこれは彼も流石に苛ついているのでは…と心配になってきては彼のアイコンを見つけ出しそこへ返事を”廣光。グループトーク見たか?”と書いては送信して）

(ぼんやりとテレビを見ているとスマホが振動し通知が来ていて。大方鶴丸たちだろうかと思うもそれは彼からのものでありグループトークのことについての内容で“見た、うるさくて通知は消してるがまだ話してるみたいだな。”と返信して)

…!やっぱり、か…
（彼からの通知が来るとはあ、と溜息を吐き未だに鳴りやまぬ通知に二言”煩い”と返事を書いたところでまたヒートアップするだけだと此方も彼と同じように通知だけ消すことに。”俺も通知は消しておいた…やはりまだ冷めなさそうだな”なんて返信をし）

(どうやら彼も自身と同じように通知を消したようで、それが今は賢明だろうと思い。別に返信をしなかったからと言って何かを言ってくるほど幼稚な奴らでは無いことは分かっているため“そうだな”とだけ返して)

（彼からの通知を既読にしてはスマホをポケットにしまい家にやっとたどり着き。鍵を開けリビングに行く際ピロン、と音が鳴り。彼からだろかとスマホを取り出せばクラスメイトから個人で通知がその内容は昼前とほぼ同じ内容。どれだけ気にしてるんだ、と突っ込みたくなるのを抑え”あんたに関係ない”とだけ返事を返しテーブルにスマホを置き一息ついて）

(翌日、いつもの様に身支度をして家を出て。今日は午前中からバイトのでそれも卒なくこなせばそのまま学校へと向かい)

（今日はバイトもなく午後から学校に行く為身支度だけ済ませいつも通り学校へ。学校へ着き教室へ行くな否やまだ冷めていないあの出来事の事でやはり質問攻め。はあ、と溜息を吐きつつ席へ座り完全無視前提でいくつもりでおり）

(教室へ入っていけば視線を感じながら気にしない様子で席へと座り。所々で何やら話をしている声やしつこくも話し掛けてくる者を追い返して。一週間もすればこいつらもきっと飽きる筈だと思う事にしていつも通りの生活を過ごし)

（授業が終われば生徒たちはガヤガヤと何やら此方を気にしつつ話している様子でもうなにも気にしないでおこうと教室から出ていき）