硝子ノ中ノ瞳　　

  お題 / 言の葉より
【瞳の中の華/朝露の輝き/真っ赤な爪】

 ‥おや、朝露が。ふ、今日は一日晴れのようだ。

( 朝早くに目が覚めていつものように庭に埋めてある植物達に水をやろうと縁側を降りてから庭の隅に生えている木に目をやると青々とした葉からきらり輝く朝露を目にして頬を緩めると部屋の中から足音が聞こえてはそちらに視線を移すようにして )


 ──おはよう。相変わらず朝起きるの早くない？私、兄ちゃんより早く起きれたことが今の今までないんだけど

( 朝からぶつくさと兄である相手にそれを伝えながら、くわっと大口を開け欠伸をし、頭をガシガシと掻き女性には相応しくない歩き方( がに股 )をしては居間へと歩み「 よっこいせ 」などとおじさんくさい言葉を言いながら胡座をかくように座り込んではポッケに手を入れ煙草を取り出し咥えては火をつけてふーっと天上に煙を吐くと昨日ネイルサロンに行って、やってもらった自身の赤い爪先を見ては満足気な笑を向けて )