隠れ吸血鬼 2018-03-16 19:58:38 |
通報 |
――はい、かしこまりました。ではそのように……ええ、大丈夫ですよ。今度、旨い酒でも奢ってもらえれば。はは、冗談ですよ。失礼いたします。…………はぁ……
( プツン、と電話を切ってスマホをテーブルに置いた瞬間、深くソファに体重を預けて深い溜息を吐く。電話の内容としては、新人が取引先に何かしらの不手際を働いてしまったらしく、新人の教育係である榊にその尻拭いが回ってきた、という塩梅で )
……旨い。矢附、ありがとな……やっぱりお前のじゃなきゃ駄目だ
( 癒しを求めるかのように、矢附が淹れてくれた紅茶を一口含めば、知らず知らずのうちに表情が綻ぶ。甘すぎず渋すぎない、まさしく自分好みのこの味は、自分のことをよく分かってくれている矢附にしか出せないだろう。お世辞抜きで店でも開けそうなほど美味しくて、素直に称賛の言葉を並べて )
急で悪いんだが、ちょっと出てくる。書類を手渡すだけだから、すぐ戻る。――好きだ、矢附。
( ゆっくりと紅茶を飲み干せば、黒いジャケットを片手間に羽織りながら、A4サイズの茶封筒を手に、玄関へ向かう。この家の間取り的に、キッチンを通らなければ玄関へは行けないので、必然的にキッチンにいる矢附に話しかけて。そのまますうっと玄関まで行ってしまうと見せかけて、くるりと振り返って矢附の腕を掴んで引き寄せ、頬に触れるだけのキスを落とせば、耳元で囁いた )
*******************
――――で、これがその書類。理解できたか?分からないことがあれば、自分で解決しようとせず俺に聞け。教育係なんだし、遠慮するなよ
( 絆火と矢附が同棲している家から徒歩2分ほどの場所に、小さな広場のような公園がある。そこが新人との待ち合わせ場所であり、絆火の姿を見つければ申し訳なさそうに何度もペコペコと頭を下げる新人。新卒社員ゆえにまだ22歳、若々しくて雰囲気の眩しい可愛い女性だ。絆火は、てきぱきと茶封筒の中の書類を説明し、もう尻拭いは御免だと、溜息交じりに忠告する。ふと、書類に目を通していた新人が、不運なことに紙で指先を切ってしまったようだ。思いのほか深く切れてしまったようで、予想より多くの血が出ていて )
…………!
( 不意打ちで香った血の匂いに、吸血鬼の本能を揺さぶられて絆火が瞑目する。どこか底光るような、獣じみた眼光を宿している。そのまま無意識のうちに、強引な動作で新人の怪我した方の手をがっと掴み、裂傷のある指先を自分の口元にぐいっと近づけ、本能的に血を舐めようとして。まさかそれが、矢附に目撃されているなんて夢にも思わずに )
(/いえいえそんな、むしろ毎レスごとに素敵な台詞とロルの連続で、にまにまさせて頂いております。
新しい展開についてですが、何かしらの理由で矢附くんが絆火の後をつけていて、血のくだりもばっちり物陰から目撃してしまっている、という現場設定でお願いいたします。割って入って吸血を止めてもらっても、そうでなくてもどちらでも構いません。どちらにせよ、今回は寸でのところで絆火が理性を取り戻し、新人から吸血するようなことはないので……!
此方こそ、何か意にそぐわない点や、背後様がやりたいシチュがある、という場合は遠慮なく仰ってくださいね!)
トピック検索 |