赤の女王 2018-03-10 15:26:43 |
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( 人の好さそうな顔から一転、にたりといった音が似合うあくどい表情を浮かべた其れは早くも本性を現したといった様子で。夢とも見紛うほどの変わりように魔を冠する名は誇張ではないと悪寒が背を駆けあがり。あまつさえ答える代わりに、と調子よく交渉の場へ引き摺りだされては、厄介なものに捕まったと舌打ちが零れるばかり。さて、金と来るか服と来るか、はたまた化生らしく手足を喰らうと言い出すか。悪い想定ばかりをあれやこれやと考えながらも、近付いてきたそれに退かなかったのはせめてもの虚勢。「 ……俺の身一つ? 」 髪を弄る浅黒い指先を厭いつつ今か今かと言葉を待ち侘びていれば、小さな囁きの後に告げられたのは幸か不幸か一番安価でありながら替えのきかぬもので。想定していた中で最も悪いそれに思わず聞き返してしまったのも仕方ない無く、ははあ、こら晩飯にされるんやな等と軽口を叩く余裕もなく。追い打ちをかける様に顎を掬われ視線を固定されては翳りのある双眸が催促するまま安易に頷いてしまいそうな雰囲気にのまれ。ごくんと唾をのんだ喉がやけに大きく上下した気がした。そうして、蛇に睨まれること少し。「 嫌や言うたら本間に逃がしてくれるん?あんた、そない善人ちゃうやろ 」 漸く舌に乗せたのは明確な拒否とまではいかずとも、その意を仄めかす言葉で。相手は " 断られたら身を引く " とさも此方に逃げ道があるかのように言ったが、取引を持ち掛けてくるような奴が素直に見逃してくれるとは到底思えない。――― こうして弱気になった時点で相手の手の平の上、そう思考を改める様にはふりと息を吐けば、「 なあ、兄さん。手籠めにしたいんやったらもっとはっきり言わんと。相手は阿呆な籠の鳥やないねんで? 」 にんまり笑いながら帯に挿していた扇子へ手を伸ばし。顎に添えられた手の斜め下から親骨を当てる形で振り上げては、ぺしんとその拘束を振り解こうか。 )
( / いつもいつも優しいお言葉をかけてくださり、本当に感謝しかありません…!また、お褒めの言葉まで頂戴してしまって恐縮です…!こちらも毎度毎度惚れ惚れとしながら主様のロルを拝見させて頂いております。未だちぐはぐとした繋ぎ方などが目立つ拙いロルですが、どうかこれからもお相手いただけますと幸いですっっ…!!それでは背後は失礼いたしますので、こちらどうぞ蹴ってください…! )
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