ななしのあるじ 2018-03-02 08:10:39 |
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>55 喫煙者様
( 夢を見ていた。暖かく眩しい、二度と叶うことのない夢。隣で微笑む大切な人、ふと彼が立ち上がり此方へ背を向ける。追いかけようにも足は動かず、呼び止めたくとも声が出ない。懸命に伸ばした手が空を切り──そこで意識が浮上した。生温い泥沼から抜け出たような感覚。何時もより瞼の重さが酷い気がする。何時も、何時もとは何時のことだろう。ずきりと鋭い痛みが頭を刺した。思わず目を細めて歯を食いしばる。暫くそうしていると、やがて痛みは引いていった。肩の力を抜き深く息を吐き出す。あの痛みは何だったのだろう。深く考え込もうとすると、またあの痛みがやってくるような気がして思考を止めた。ふと瞳の縁に違和感を感じてそこに触れる。指先が触れたと同時に目から零れ落ちたのは少量の水分。それを何と呼ぶのかは知っている。しかし己がそれを流すことに強い違和感を感じた。何故そんなことを思うのだろう、“人”であれば誰しも流すものだろうに。流れ落ちたそれの跡を拭いながら考えるものの、違和感の正体には遂に辿り着けなかった。重く軋む身体を起こし、辺りを見渡した所で別の違和感に気付く。──ここはどこか。記憶にない場所、そして何故か天井があることを不思議に思った。そこまで考えてくらりと強い目眩に襲われる。違う、ここが記憶にない場所だと感じたのではない。そもそもどこに居たのかも思い出せないのだ。更に己が何者なのかもわからないと来た。これが記憶喪失という現象なのだろう。頭が真っ白になるのを感じ、文字通り頭を抱える。その時、ふと服の内側に何かの数字が見えた。否、胸元に、己の肌に直接数字が書かれている。そっとそれに触れると同時に、どうしようもない安心感と途方もない絶望が押し寄せる。この数字が何を意味するのかはわからない。けれどこれはとても大切なものだ。己にとって、かけがえのない。その数字の前で両手を組み、縋り付くように身体を丸める。その数字を抱えることの意味も過去も、何もかもを置き去りにして )
( / 絡んで頂きありがとうございます!思いもよらぬ魅力的なキャラクターと素敵なロルに、お返事をしないという選択肢がどうしても選べずレスを返させて頂きました…!勝手ながら「 お持ち帰りされた後、目覚めたものの記憶が欠落していて自分が人形兵器であることも忘れた状態 」で書かせて頂いております。完全に自己満足なお返事ですので、今度こそ蹴って頂いて構いません。
此方こそとても楽しかったです。本当にありがとうございました! )
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