とぴぬし 2018-02-13 21:50:19 ID:197ab3a1d |
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>隣のお姉さん
(彼が熱でも出して倒れていたらどうしよう。怪我だったら、事故だったら。今にも弾け飛びそうなほどに膨らんだ不安は見知った女性の登場で一気にほどけ、そこから先はあまりよく覚えていない。気づいた時には擦りむけた手が暖かいマグカップを握っていて、大事な大事なバレンタインデーが台無しになっていた。チョコ一つきちんと渡せない情けなさに砂に塗れた紙袋より汚い涙が溢れ、ココアに浮かんだマシュマロをぽたぽたと叩くが女性がチョコを口に含めばその感想に濡れた顔を上げ「……本当ですか?良かった……手作りチョコが食べたいって聞いたから、頑張って……」本当はあの人にそう言ってもらいたかった、あの人に食べてもらいたかった、安堵もそんな思いに押しつぶされて嗚咽に変わってしまい。それでも血が滲む掌で涙を拭い、ふらつきながらも立ち上がってはぎこちなく笑顔を見せて)
ーーありがとうございます。でも、あの人風邪を引きやすいんです。繊細なんです。足元に落ちた食べ物なんて怖くて渡せないんです。それに今から頑張れば、朝までには一つくらい作り直せるかもしれませんから……だって女の子からのチョコが欲しいって、愛情のこもった手作りチョコが欲しいって言ってたんだから私が頑張らなきゃ。
(女性の優しさは嬉しいけれど、チョコを心待ちにしているはずの彼を放って眠ることも一度地についたものを渡すことも自分には到底できなくて。「そのチョコ、良かったらお姉さんが貰ってくれませんか。いつもあの人がお世話になってるお礼に」申し出を断る代わりにせめてと提案し、ご馳走になった礼を述べて部屋を出ようとするが大切な事を言い忘れていたとドアノブに手を掛けたまま振り返り)
もう一つ、お願いしてもいいでしょうか。彼、具合が悪くて寝ているみたいなので……朝、誰か女の子が迎えに来ても、帰ってもらうように言ってください。おやすみなさいお姉さん。
(/受け取ってくださってありがとうございます!こんなに素敵な大人のお姉さんに食べていただけて光栄です…!もうじき日付けが変わってしまいそうなので回収させていただきましたが、イロモノJKにお付き合いくださりありがとうございました!)
>親友君
(いつもは腹が立つほど好きな誠実さも今日ばかりはもどかしく、危うくチョコレートを拒否されかけると心臓が先程までの緊張とは異なる嫌な早鐘を打ち始め。かと思いきや一転チョコを受け取る相手に安堵半分振り回された焦り半分の溜め息が溢れ、いかにも女子らしいピンクの包装と迷った挙句相手の好きな色を選んだ昨日の自分を内心褒めつつ「何だよ、結局食うくせに格好つけんじゃねーよ。ポイント稼ごうったって誰も居ねえし」と小突くことで緩む口元を誤魔化して)
その俺なんかにしかチョコ貰えねえ奴に言われたくねーわ。……あれじゃねえの、溶かして固めただけの手作りチョコでも入ってんじゃねえの?ちゃんと全部食えよ、気持ちがこもってんだから。
(日頃散々バカだアホだと言い合っていても、こういった場面での軽口というのは何故かやたらと刺さるもので。別に他人をおざなりにしているわけじゃない、お前しか見ていないから自然とその他が雑になるのだと言い訳をぐっと飲み込んで相手の言葉を繰り返すに留め。これ以上駄弁っていれば日が暮れて耳の熱も誤魔化せなくなる、そもそも心臓がもたないと相手に帰ろうと促し立ち上がるが、何げない一言に足を止めると最後にもう少しだけ踏み出してみようと背を向けたまま呟いて、そのまま廊下へ出て行き)
……うるせー、諦めろ童貞。お前の良さなんてダチでもなけりゃわかんねえよ。
(/受け取ってくださってありがとうございます!誠実かつ純朴そうなのに自分の周囲に関しては鈍い親友君、とてもぐっと来ました…!文字通りハッピーなバレンタインになりました、ありがとうございました!)
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