あるじ 2018-01-27 15:16:38 |
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>45:天鵞絨
(相手の…というより、人間の頭が刀である己に対し下げられている光景に、僅かながら吃驚する。自身がこれまで出会った人間といえば、誰も彼も母胎に礼の心を捨て置いてきた者ばかり。彼等にとってはただの道具に過ぎない刀剣という存在に、このような会釈など向けられるはずが無いと思っていたのだが。目の前の事実を確認するよう二、三度瞳を瞬かせると、一先ず相手に倣い礼を返す。──さて、と。顔を上げながら、改めて思惟する。ぱっと目を引く特徴的な顔立ちの理由は概ね予想通りであったが、流れるように加えられた純日本人だという情報は少々残念なものだった。例えばこれが日本語に不慣れな留学生であったなら、いざという時適当に丸め込んでしまえるのに。ちらりちらりと微かな緑を舞わせる瞳を見つめ、内心溜息をつきそうになる。しかしそんな落胆ももう一つ、続けざまに開示された情報の前ではあってないようなもの。自分とは別のサポーターがいる──それは願ってもいない言葉であり、だからこそ礼の前に放った「ああ、他に刀がいるのか。それは頼もしいな」という相槌も自然と喜色混じりのものとなった。勿論、他の刀と話ができるのを純粋に喜ぶ心もある…あるのだが。悟られぬようひっそりと、されど確かに存在するのは"既に一振り補佐役が居るのであれば、思ったよりも相手と関わらずに済みそうだ"という安堵の念。無論、乱がストレスを感じるようなら過干渉も視野に入れる所存だが、彼等の付き合いがそれなりに長いであろうことを考えるとその心配は殆どないはずである。なんとも幸先の良い話だが、ここはもう一歩。)
ところで、補佐というのは何をすればいい。政府の役人に訊いても「行けば分かる」としか伝えられなかったのでな、よく理解していないんだが。
(ゆったりと、取り敢えず質問してみたという風に。その実どこまで接触を減らせるかと謀っていたりするのだが、感づかれないよう口の端を少しだけ上げてやるのも忘れない。『最初は見ているだけでいいさ』という一言を期待しつつ、おまけとばかりにちょいと小首を傾げてみて)
(/改めて、ロルテへの絡みありがとうございました!パートナーならではの展開で、徐々に変化していく互いの心情を楽しんでいけたらと思っております…!気になる点等ございましたら随時指摘していただけると嬉しいです。)
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