ななちゃん 2018-01-14 16:10:24 |
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貴女は僕を救ってくれた。凍りつく森の中で、声を掛けてくれた。少し厳しい口調で、でもそこには確かな優しさがあって。誰からも愛されたことのない僕に初めて愛情をくれた人。貴女から貰ったものは指がいくらあっても足りないくらい多くて、どれも優しくて、全部僕の為の物だった。これからは僕が貴女にあげる番。でも、貴女はいない。また僕の為。否、僕のせいで貴女はいなくなってしまった。僕はこれからどうすればいい?いつも貴女が導いてくれて、いつも貴女が僕を引っ張ってくれたのに。貴女は幸せでしたか?僕がいないほうが絶対に良かったのに。でも貴女は絶対に幸せだったって言うんでしょ?確証は無いけど、きっと貴女は笑顔でそう言う。だからいつも僕は泣きたくなる。目を瞑る度に貴女の笑顔や少し冷たい、でも愛情のこもった話し声。
全部絶対忘れない。貴女を思って生きていけば、何も辛いことなんてない。でも、僕はそれ以上を望んでしまった。だから僕はまたあの場所にいる。凍てつく氷の森。あの時は、寒くて、苦しくて、悲しくて、凄く寂しかった。でも今はそんなことは思わない。何処か幸せな、貴女の温かい笑顔が、天使たちの子守唄が聞こえてくる。この世界に思い残す事はないし、さよならなんて言う人もいない。貴女が住んでいたこの森で眠れるのは僕にとっては幸せなんだ。だからバイバイじゃないね。なんて言えばいいんだろう、ああ、分かった。
「行…て…きま…す」
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