放課後に呼び出された場所。
そこは生徒たちの間で噂されている縁結びの鐘の下。学校の敷地内にある古びた教会の隣に立つ鳴ることがない鐘。
そこで告白し、想いが叶うと鳴ると言われている。
そこに立つ一人の生徒。
頬を朱に染め、こちらの姿に気づくや緊張した面持ちで姿勢を正す。見覚えのない生徒。接点なんて欠片もないはずなのに。
ここに呼び出された時点で何があるのか容易に想像でしたし、まさしくその通りの雰囲気だ。
来たことに礼を述べてから、少し間が空く。
やがて、その沈黙は崩された。
「ずっと好きでした。付き合ってください」
告白。
なぜ相手が自分を好きになったのか理解できなくて。でも答えなければならないことだけは嫌でも分かるから。
「キミのこと知らないし、いきなり言われても困るんだけど」
泣きそうになるその姿に、少し逡巡して静かに告げた。
「なら、キミを好きになるようにしてみせてよ」
こうして、告白してきた子とされた子の不思議な物語が始まる。
さあ、相手を自分のものにできるかはキミ次第だよ?
(/解禁まで待ってください)