人ならざる 力 を持った者のみが 鏡 を通って入ることができる世界 そこはいつの日も 真夏のように暑く 空気がじっとりと絡みついてくるようで 見える限りの街は まるで鏡写し 陽炎に映し出されるは 日に灼かれたビル街 喉が渇く 夏を過ごした記憶が 冷えた炭酸飲料を求めている 只人は居らず 力を持つ者が 抑圧された己を解放できる場所 あるいは 彼らの憩いの場ともなるか されど そこで命を失えば 人知れず渇いてゆくのみ