絵本 2017-12-26 00:32:17 |
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---Page2 世界観
ここは小さな王国ラプトル。そこにはかつて白い耳と黒い耳が住んでいた。
飴玉の涙を流す兎とその涙を食べて生きる狼。
兎の涙を人間が狙い、たくさんの兎が死んでいった。だから兎は人間から命を守るため自分たちの街に大きな壁を作り、その中で暮らしていた。外の世界には出ないよう。
しかし、涙を食べないと死んでしまう狼達の王は仲間の餓死を防ぐため、その壁を乗り越え兎の王に頼み込んだ。
「このままでは我らは死んでしまう。少しだけでいい、涙を分けてくれないか。」
泣きそうな狼に兎の王は答えました。
「少しと言わず、いくらでも差し上げましょう。その代わり、人間から私達を守ってくれるなら。」
「あぁ、必ず守ろう。この恩は忘れない。」
兎と狼は約束を交わしました。
それから100年。
これはそんな兎と狼のお話。
---Page3 用語
『兎』
甘い飴玉の涙を流す白い耳の種族。種族数が少ない為にその涙は希少で、一部では億を超える価値で取引されたり兎を狙った誘拐事件が起きたりと不穏な噂が絶えない。
普段は王国の中心にある城で守られながら住んでいる。許可がないと外に出る事ができず、外に出る時は必ず耳を隠すことが絶対のルール。
『狼』
兎の涙を主食とする黒い耳の種族。人間からは不幸の象徴だの死神だのと嫌われている。生まれながらに兎の涙以外を口にしても吐き出してしまう体質。100年前の誓いにより兎を守る立場として兎と共に城に住んでいる。兎と違い自由に外出する事、自身の判断で兎に害があると思った人間の命を奪う事が可能。
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