2017-11-11 22:06:57 |
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…ふ、心配しなくても、安静にしてるから。
……っ、だから、大丈夫だ。
(目が覚めた直後に彼女の柔らかい声が耳に届き、微かに笑みが漏れそうになるも代わりに漏れたのは肋骨の痛みで生じた呻き声。途端慌てふためいた声に変わった少女の声音を聞いていると、何だか自分の身よりも心配になって、可笑しい。全く珍しい事もあったものだと思いながら、ふと無意識にも微笑が浮かび。彼女に返事をする最中、何故か予告もなしに声が詰まって一瞬驚嘆する。体の痛みに耐え兼ねて、なんてことではない。何か、精神的な障害が原因の物だ。しかしそれが続いた訳では無く、次の言葉は簡単に出た。意味が分からないまま、行き場所を失っていた視線を彼女から膝元に移す。一体何故こんなことが起きたのか、何か、言えないような事を言いかけたのか、なんて、硬い笑みを浮かべたまま些細な事を頭で思考する)
……宜しく頼みます。
(己の問いに頷く男は言葉を続ける。あまり意識はしていなかったが、じ、と相手の方を見詰める。見た目は普通の医者で、堅実な雰囲気もする男だ。本当なら裏社会で働く闇医者に診察してもらっている所を、このような一般の医者に診てもらうのは有り得ない事だ。しかし自分が助けを求めて、少女が呼んできた医者を追い返す程の無礼を働く気は無い。今は人を選んではいられない状況、ここは素直に頼むべきかと結論付け、しずしずと頭を下げて診察を頼み)
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