2017-11-11 22:06:57 |
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(意識も絶え絶えに歩を進めていると、気が付けば室内、そしてベッドが眼前に。そっとそこに体を下ろされ、横になる。ひゅっと肺が酸素を飲み込んだ途端、肋骨にヒリヒリと焼けるような痛みが走り、う、と漏れそうになる声を抑えるように歯を食いしばる。咄嗟に出来るだけ呼吸を控えようと意識して小さく酸素を吸い込んでいく。やがていつの間にやら瞑っていた瞼を慎重に開いていくと、少女のどこかもの言いたげな双眸が垣間見えたような、そんな気が。しかし彼女はすぐに己から顔を逸らし、背を向け、何かを言い残すと速やかにこの場から去っていく。朦朧と揺らぐ意識では、言葉を聞き取る事さえもままならない。視線を正面に持っていくと、目に飛び込んできたのは水面の如く形を維持しない天井。静寂に満ちる室内はどうにも今の自分には退屈で、そっと意識が遠のいていく。やがて何もかもを投げ出したように深い眠りにつき)
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