2017-11-11 22:06:57 |
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( 漸く辿り着いた真白なシーツの目前、此処までの道のりが此れ程長く感じたことなど今までで一度たりとも有っただろうか。安堵にも近い息を微かに吐き乍ら、面前にあるお世辞にも新品とは言い張れない布は朝起きた侭で、少しばかり皺が寄っている。眉尻を下げて、微かな恥ずかしさに苛まれつつも彼の身体をゆるりゆるりとベットへと倒して、如何かその顔が苦痛で歪まぬ事を祈りつつ。小さく聞こえてきた、彼の独りごち。顔を覗き込み、ふるりと首を横に振っては困惑と立腹を綯い交ぜにした様な表情を浮かべて見せ、軽く頬を膨らませて。何かを言おうとして、__やめた。何かを言える程に近く無い距離であったことにはたと気付き、慌てて気疎そうに視線を緩々と逸らして。継ぎ目すら無く、彼をベットに捨て置く様に背を向けては医者を呼びに走り出そうとして。 )
__、…直ぐに呼んでくるので、待っててくださいね!
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