赤の女王 2017-10-15 11:00:59 |
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(前々から首に鞄を下げた鳥がなんなのだろうとは思っていた。メイドがその鳥に手紙を渡す場面にたまたま出くわしたのであれは何、と尋ねれば言葉は喋られないが仕事ぶりは大変優秀な郵便屋だと言う。住所がなくても名前さえ告げれば届けてくれるというので、頭に浮かんだ何人かのうちの誰か試しに出してやろうと気紛れに思いつき。メイドに借りた手紙を出すための一式と集荷ベルを手に部屋に戻ると化粧台に座り、飾り気のない真っ白な便箋を広げるとやや癖のある少しばかり神経質そうな筆記体を万年筆で走らせ)
・・・・・・
Mr.蜥蜴のビルへ
果たして、あなたにゆっくり手紙を読む時間があるものかしら?
放っておかれるかもしれないわね。
だって誰からきたものか見当もついていないでしょうから。
最近、あたしも労働の真似事をしているので部屋の窓からあなたの仕事ぶりを
見物していませんが、庭は相変わらず綺麗なので仕事中毒は健在なのでしょう。
さて、ところで一日だけ、ちょっとばかし園芸鋏を貸してくれないかしら。
曇り一つない艶やかなガラスの花瓶を手に入れたので、いよいよ
おしゃべり相手に薔薇を部屋に連れ込んでやるつもりです。
(女王様にはちゃんと許可をもらったのでご安心を)
仕事が大好きで堪らないのでしょうけれど、
都合の良い日時を返事してくれないと、留守中に上がり込んでしまうわよ。
庭のアリスより
追伸…随分遅くなったけれど、クリスマスプレゼント、ありがとう。
・・・・・・
(一番下に今日の日付と簡単な薔薇の絵を描き添えた手紙、乾かす間に内容を読み返して問題がない事を確認すれば揃いのシンプルな封筒に二つ折りにした便箋を納めると薔薇色の蝋を火で炙って封蝋を施し。一息吐いてから早速窓を開けて集荷ベルを鳴らしてみるとメイドの言った通り直ぐに鳥が近付いてきて、鮮やかな淡い黄色の鳥に手紙の書き出しと同じ封筒の宛名を見せて「賢い鳥さん。あなたと同じ仕事熱心な蜥蜴に届けてちょうだいな」そう言えば鳥はまるで頷くように動物らしい仕草で首を傾げ、くつくつと喉を鳴らして郵便鞄に手紙を入れれば鳥はすぐさま羽ばたいていって)
(お久し振りです。ステイシーの背後です。前回からあっという間に一ヶ月が経っていて事に気付き、遅ればせながらご挨拶に伺いました。手紙という素敵な交流方法にうずうずしていたため利用させていただきましたが、前後のロルはこのような形で大丈夫でしょうか。
長々と大変失礼しました。日差しのわりに風の冷たい日が続いています。主様もご多忙との事ですので、どうぞご自愛ください)
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