絢羅 2017-10-14 23:53:22 ID:145fec2df |
通報 |
「 お姉さん、有難う!! 」
目の前でニコニコと人懐っこい笑みを浮かべるのは作品の主人公である江戸川コナン君。暫くパソコンと睨めっこをしていた為か目が疲れ、気晴らしにと公園を訪れればコレだ。
“ 今迄の苦労を返してくれ糞餓鬼 ”と言いたいが此処は我慢。大人の余裕を見せなければ。公園の入口に転がって来たサッカ-ボ-ルを手に取ってしまった自分を呪いたい。
『 ──如何致しまして。 』
薄らと柔らかな笑みを貼り付けてサッカ-ボ-ルを目の前の少年へと返せば笑顔で上記を返された。いや、確かに可愛らしいのだけど。あまりにも子供らし過ぎて違和感を感じるのは、きっと自分が転生トリップを経験した者だからだろう。両親がハイスペックである為かその笑顔は完璧である。これじゃは大抵の人にはバレないだろうな。
「 お姉さん、見ない顔だけど此処の近くに住んでるの?? 」
じゃあ、と立ち去ろうとした自分に掛けられた声は眼鏡の子供の声で。───詮索するなよ!!なんて思わず頭を抱えたくなるのは不可抗力である。
『 ──まぁね、2年前くらいかな。 』
当たり障りの無い情報だけを素っ気無く伝えてみる。中身が高校生じゃこの程度めげないだろうけど。否、めげて欲しいわ。
「 そっかぁ!!サッカ-ボ-ル有難う!!またね!! 」
えへへ、と言わんばかりに破顔して伝えられた礼は悪くないけれど。また、は遠慮したいかな、少年。
パタパタと少年探偵団らしき面々の所に駆けて行く少年の背を見遣り、自分も家に帰ろうと踵を返す。
───引き籠もりになろうかな。
これが江戸川コナンとの初めての出会いである。
トピック検索 |