▽ 2017-09-26 20:23:34 |
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一人目の被害者は銀行強盗を働き、その上抵抗した女性店員を所持していた銃で殺め逃げた男。目深にフードを被りコンビニ内で立ち読みをしていた所、急に苦しみ出して死んでしまったという。
慌ててアルバイト店員が救急車を呼んだものの間に合わず、死因は心臓麻痺だった。
それから一日に一人、必ず指名手配犯が心臓麻痺で亡くなっている。死んだ場所も犯人の年代も、性別も何もかもがバラバラで共通点は全くと言っていい程無い。
故に警察も手詰まりとなってしまい、藁にも縋る思いで探偵達に声を掛けたらしい。上層部から警察の信用に関わるから内密に、との条件はあったものの目暮が指揮官として抜擢されたのである。
十五人全ての状況を読み上げた目暮は顔を上げ、集まった男女を見渡した。
毛利小五郎、安室透、服部平次。他にも赤井秀一、ジョディ・スターリング、ジェイムズ・ブラック───FBI捜査官の姿もある。尤も、赤井秀一は表向き死んだことになっている為、今は沖矢昴の姿だが。更には小学生である江戸川コナンの姿もある。警察からは佐藤美和子、高木渉、千葉和伸、白鳥任三郎など。
更に言えば白馬探に扮した怪盗キッドまで。
目暮は昨夜の電話で信用出来る人物を出来る限り集めて欲しいとそれぞれに掛け合っていた。推理力のある人物であれば尚良いと。
小五郎が電話を受け、安室透にも声を掛け、安室透がコナンにも協力を仰ぎ、コナンが赤井秀一にも声を掛けた。それについて指揮を任された目暮が何も言わなかったのは、警察の中だけでは処理が出来なくなったからで。
目暮はこの事件が明るみに出た時、辞職を考えていた。自分一人がバッシングを受け、それで警察の信用が保たれるならば。言わずともこのまま不審死についての報道が続けば、いずれは民間人から問い合わせがあるだろう。
それならば、と信用の出来る人物を集めて少しでも解決に近付けるなら。それが目暮の考えであった。
稚拙な考えと上層部には言われるかもしれないが、そうでもしなければ事件は迷宮入りとなってしまう。幾ら犯罪を犯した者だとは言え、帰りを待つ家族や恋人、親しい友人、そういった人が居るだろう。その人達もきっと、事件の解決を待っている。自分の大切な人が亡くなった、その真相を知りたいだろう。
その人達の為にも、目暮は自分の立場すら捨てる気持ちでこの事件に取り組んでいた。
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