飄々男子 2017-09-18 20:10:16 |
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( 女である自分の非力な抵抗は矢張り彼には効かず、肩に回っていた腕が後頭部へと変わり、己の黒髪を髪を梳くように撫ぜる其の動作に驚くのも束の間、最早零距離と化した密着度、彼の胸元へと強引に抱き寄せられたのだと理解すると唯でさえ五月蝿い鼓動が更に煩わしくなり。力の歴然たる差、己と違い全体的に堅い体躯、改めて彼は男なのだと実感させられ。然し反して呑気に眠りの誘いを言葉にする彼に人の気持ちも知らないで、と憤りを感じるも、至近距離では大きな声で反論するのさえ憚られ、代わりに羞恥から水の膜が張った瞳で上目で彼を見遣り。本人は強く睨んでいる心算でも真っ赤な頬と潤んだ瞳では変わらず迫力は微塵も感じられず。 )
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