悲しき鬼 2017-09-03 18:02:37 |
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どう、して?そんなことないよ、私、今でも充分幸せだよ、
(彼の言葉、そして自分と目線を合わせてくれないことにじわじわと不安の波が鈴を襲えば自分は今でも幸せだと必死に彼に告げて。彼はきっと、私の記憶を消して、その言葉通りここでの暮らしをなかったことにするつもりだ。私の為に。──私が、傷つかないために。「ねぇ、碧、私、碧と一緒に居たいよ、」ぽたぽたと頬を伝う透明の雫を拭うことはなく、彼の服を掴む手に力を込めては鈴はまるで振り絞るかのように言葉を紡いで。)
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