雪さ。 そう、雪っていうんだぜ。 空から真っ白い塊が降ってくるのさ。 氷かって?いや、ちょっと違う。 それは、雹といって、また別物さ。 この季節になると、街を真っ白に染め上げるんだ。 ネオンに埋められたシンジュクの繁華街が、見渡す限り白一色の世界。ほんの4、5センチ足らずの雪でも、あの息苦しい大きな街を、お伽の国のように変えちまうのさ。 だから、寒さは確かにたまらなかったけれど、オレは雪が嫌いじゃなかったな。