達磨 2017-08-13 22:15:48 |
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別れだからこそ、だ。最後の挨拶くらい派手にしてやら―――月ちゃん、本当か!(声の度に追い掛けていた視線はさも当然と新しく届いたその声にも向けられて、此処に相手の姿が見える事を嬉しく感じるより先に飽きれたように伝えられた言葉に返事を述べて、横に並んだ男が同情されるべくは己だろうと言う申し出をするものだから目を大きく開くと歓喜に瞳を揺らめかし破顔の如く表情一杯に笑顔を浮かべ。下手な横やりが来る前にと散り散りに消える演者など気を取るにも足らず、肘より先の無い腕で相手の脹脛の辺りをポスンと軽い力で叩き「明日からとは言わずに今から頼む、月ちゃんは優しいなぁ」はっはっは、と声を高らかに上げて歓喜のままに冗談を向けて。顎を伸ばし顔を上げ、下から覗く顔とは普段と変化が無いほどの男前、誰もが面倒に思う事他ならない他人の世話を買って出たその姿にどうして顔向け出来ようか。完全に二人きりになった所でお喋りは変わらずともギラギラの騒々しさは落ち着きを取り戻し、年相応の色を含んだ表情でくすりと吐息を漏らし「男に二言は無いな。俺と一緒の生活になるのだ、月ちゃんにも規則正しき生活を約束しよう」同情されるべくは他ならない相手であると直接的に告げる代わりとしてうんざりする程知っているだろう己の喧しさを話の題材にして。「時に月ちゃん、朝が来るまで共に語り合うのも星を数えるのも魅力的だが……朝は早い、夢でも見ようか。」顔を覗き込むために見上げていた両の目玉で星空を見据え、上ばかり見ていた首を正しては短い睡眠を促して。年齢とは関係ないと言う様に先輩風を吹かせるつもりで、からかいを交えた声色を用い「可愛い月ちゃんの為なら子守歌くらいお安い御用だ」胸元を叩く代わりに肘を使い己の腹部をポンと弾いて)
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