21823 2017-08-12 11:52:03 |
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(言葉を詰まらせる相手が次に何を言い出すのかと思えば、それはとんでもない誤解であり半ば拍子抜けしたような顔で呆然と其方を見て。そんな健気な理由に頭を悩ませていたのだろう妹を思うと可笑しくて愛おしくて、堪え難い笑みがこみ上げ、ついには吹き出してしまい。肩を震わせくつくつと一頻り笑みを噛み締めれば、妹の不安を吹き飛ばしてやるべく空いた片手で相手の髪をぞんざいに搔き乱し)
……ばか、負担なわけあるか。寧ろ、我儘一つ言わなかったお前が俺を頼ってくれることが、嬉しいんだ。…死に損ないの俺でも、まだ誰かの役に立てるんだと…。
(自殺することばかり考えていた己に、生きる目的が出来たことにはそれなりの感慨もあり、しみじみと呟いて。久しく笑っていなかったせいか表情筋に違和感があり、片手で口元を覆うように頬を摩りつつ、気が済めばまた蓮華を手にとり、わざとらしく皿に蓮華の先をコツコツと当ててみせ)
──さ、元気出せよ。いつまでも浮かない顔をしていると、お前の分までお兄ちゃんが食べちまうぞ。
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