21823 2017-08-12 11:52:03 |
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(誰かに必要とされる事、それが己の存在意義であり他ならぬ妹の頼みとあれば無償の愛さえ惜しみはしない。ならば当然、見返りなど求めるつもりは無かったが、やはり期待されるような言葉を掛けられることには弱く、去り際付け添えられたそれについ反応して足を止め、半ば照れたように「…おう。」とだけ答えて。とはいえ妹の反応は多少ぎこちなさが窺えたものの、強引に押し切る形で台所に収まるとまずは冷蔵庫の中を確認し、献立に使用する具材を包丁で切ろうと。戦闘用ナイフの扱いには長けていても、食材を切る事においては殊更に素人なのか常人の倍以上の時間を掛けて漸く、切った食材をフライパンで熱し始め。解き卵とご飯、玉ねぎなどの具材が油に絡まり、換気扇が吸い上げ損ねた煙から香ばしい匂いが室内に漂って。何はともあれ順調に料理が仕上がっていく過程で、ふと妹の様子を確認しようと其方へ時折視線をくれて)
――待たせて御免な。もう少しで、出来るから。
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