見習い執事 2017-08-11 01:22:36 |
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(朝日が差し込む窓のすぐ近くの天蓋付きの白いベッドで、蹲るように眠る娘はまだ夢の中。寝返りと同時に眩しい陽が顔へ当たり、眉間へ皺が寄ればそのまま薄らと瞳を開いて。忽ち視界いっぱいに真っ白い光が広がり、やがて晴天の青空が見えてくれば漸く朝なのだと認識し。丁度良く扉が叩かれる音を耳にして半分寝ぼけた瞳を擦り上半身を起こして服を見るや否やギョッとし。昨夜は屋敷のものが寝静まった後、庭に咲く花を見ようと四階の寝室の窓から木を伝って降りた時に足を踏み外して泥の中へと落ちたままの姿で。白いワンピース状の寝巻きは裾が泥だらけで手足の指先には擦り傷が出来てとても汚く、昨夜の内にどうにかしなかった自分を恨み。肩を落とせば寝癖のある髪が頬を覆い一瞬は視界を遮るがその髪の隙間から扉が開くのを捉えると隠れるように慌ててシーツを再び被り横になって、顔を出せば子犬のようにキャンキャンと騒ぐような声で)
もう朝は来なくて良いって言ったでしょう!お父様の言いつけだからって何でもかんでも従うなんて馬鹿みたい!
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