匿名さん 2017-08-06 02:28:49 |
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(視界の隅で跳ねた肩に、今しがた叩きつけるようにして置いたカップを見遣る。もしや、怯えさせてしまっただろうか。此処からでは少年の表情が上手く伺えず、後悔がちらりと顔を出す。否、日頃から散々な目に遭っているこの少年はたかが上司が少々物にあたった程度で怯えたりしない、だろう。多分。そうだと言い切れないのは何が切っ掛けで嫌われるか分かったものではないという恐怖心からだ。女相手ならいざ知らず、年下の男を落とすテクニックなんて知る訳がない自分が多少臆病になるのは許してほしい。なんて、言い訳がましい自分にまた一つ大きな溜息を吐く。本当なら、今すぐ切り捨ててしまうべき感情だとは分かっていた。もしも念願叶って想いが通じあったとしよう。しかし、自分の中の優先順位は一から十までこの世界の平和なのだ。少年の事はどんなに優先したって二の次どころの話ではない。そして世界と少年を天秤にかける、なんて状況になった時に自分がこの愛しい少年の手を取ることはできない。絶対に。自分がこの少年を幸せにしてやれる保証なんて一切ないのだから、求めるべきではない。求める資格はない。そう頭では分かっているのに、それでも切り捨てられない自分に 嫌気がさす。本気の恋ほど面倒なものはないな、と苦虫を噛潰した様な顔で髪を掻き上げながら、突然勢いよく立ち上がった少年を目で追って)
……あぁ、頼むよ。とびきり濃く淹れてくれ。
(怯えるどころか気遣う素振りを見せた少年に杞憂だったかと内心胸を撫で下ろしつつ、願っても無い問いかけに椅子に深く腰掛けたままマグカップを差し出して)
(/遅くなって申し訳ございません…!少々立て込んでおりました…。お褒めの言葉ありがとうございます。拙い文ではありますが、お付き合い頂ければと思います!
とても素敵な文なので、これからもお好きな様に綴って下されば幸いです…!!お相手になって頂けた事、改めてお礼申し上げます!)
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