人外好き 2017-08-01 03:59:39 |
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妻なんぞ俺には必要無い。奴は……そうだな、例えるならば賢い弟と言った所だろうか。とても優秀だ
(家に自分以外の者が出入りし掃除や食事の世話をしてくる姿を想像しては、とんでもないと声を尖らせ。しかし、現在館の留守を任している使い魔に思いを馳せれば、従順に命令をこなし、時おり五月蝿く食事や睡眠について口を出す様を思い返しては、顎に片手を当て思案するかのようにうつ向き。再び口を開けば相手に対するよりも幾分か柔らかな声音で、口許に笑みさえ携えどこか自慢気に話てみせ。「いくら着飾り猿真似をしようと、本質は変わりはしない。──焼く、切り刻む、混ぜる程度で出来る物ならば、炎と風を用いれば可能だ」何を着ようと存在が不愉快である事は変わらないと嫌みを述べ。料理に関しては自分は普段調合した薬や生野菜で済ませてしまうが、パンや肉、魚等を炎で焼く、風で野菜の皮を剥いて刻んでサラダやジュース等は威力の精度こそ求められるが、簡単に作れるだろうと答え。「早さに意味など無い。繰り返し読み込み、正しく基礎を理解しろ」空を見上げ日の傾きを確認しては、此処で読む事を選択した事に対し、忠告するように言葉を続け。相手から離れた木の下に自分も腰を下ろせばそれに背中を預け、袖から一冊の本を取り出し、暫くは静かに読書が楽しめそうだと内心喜びながら此方も本を読み始め)
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