東 恭弥 2017-07-12 00:49:21 |
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…は…?
(一度吐き出してしまえば後戻りはできずただ怒りに任せて相手を睨んでいた最中、不意に相手の手が重ねられ告げられた事の真相に暫し呆然として。あれだけ憤慨していた手前すんなりと理解ができず、眉間に寄っていた皺が消えるのと同時に相手の胸倉を掴む手からも力が抜けて行き。忙しなく右往左往する視線からは狼狽えているのが明らかで、実に一分近く無言を貫き漸く相手の言っている意味を理解した時流石に羞恥に襲われ如実に顔が熱くなるのを感じ。何故誤解だなんて簡単な考えが少しも思い浮かばなかったのだろう。こんな事実は認めたくなくて何とか言いがかりを付けようと口を開いてはみるが、あまりの事に頭が回らず閉口してしまい兎に角赤くなった顔を相手に見られたくないあまり再度無理やり顔を背け。「……帰る。」自分がとんだ醜態を晒した事も遠回しに相手への想いを露呈する態度を取った事も、今はまだ実感としては然程無い。しかし時が経つにつれて自覚する程相手と顔を合わせて居られなくなるのは目に見えており、そうなる前にこの場から去ってしまおうと短く呟いてから足元の鞄に手を伸ばし)
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