孤独な吸血鬼 2017-06-29 18:22:44 |
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「 飲んでみねェと分からないじゃない。 」
( 別に、不味くたって彼の身体の一部を貰えているという事実にはかわりなかろう。彼の首筋に顔を埋めつつ、つぶやいた。牙をつきたて、彼の首筋の皮膚に惜しくも二つの穴を開ける。ごくりと一口、何時も飲ませてもらう人間の血液よりも格段に違う味。舌がこえてる訳でも無い己なのだが理解することが出来た。口を離し、「美味」である彼の血液をうっとりと見詰めれば、 「 美味しい 。 」と。 )
「はは、御生憎様弱点見つかるつもりなんぞ一切無いけどね。」
( にやつく彼を横目に、乾いた笑みを見せる。狂った思考の持ち主である己だ。これを引き受けない訳にはいかないと、見詰める彼に 「 いいよ。 」とだけ返答。きっと弱点は尻尾なのだろうと一瞬にして把握した。コレを使えば主導権なんぞ余裕で持てるのだろうなと、邪道な考えを巡らせつつ、「 嗚呼、失敬 」小さく謝罪をのべた。 )
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