匿名X 2017-06-23 23:51:58 |
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──……、……?
(食堂の隅に、俯き加減で黙々とカツサンドを食べている途中、聞き慣れる麗しい声で自分に向けて発言したであろう言葉の内容が、自身の耳に近くから聴取されて。口の中に僅かに残る食べ物を含みながら顔を上げてみると、そこには同学年にして風紀委員の会長を勤める「雪城 白百合」の姿が視界に映る。
雪城とは友人と言うほど親しくはなく、それほど詳しくもないが、和の女性らしさで溢れるその美貌と上品な言葉遣い──。そして、その外見に見合う高潔な性格から、生徒と教師を問わずに慕われているというのは存じている。……だが、風の噂によると、それは彼女の本当の姿ではないようで。何でも、人の苦しむ様を見て楽しむような、ねじけた心の持ち主らしい。
それが本性ならば、彼女を信頼していた者は傷つくだろうが──興味の無い自分からすれば、どちらでもいい。慕う者たちは気の毒だとは思うものの。……それより、そんな風紀委員の彼女は一体、自分に何の用があるのだろう。掛けられた言葉を聞くに、先ほどの知人との会話を聞いていたようだが、ただ単にからかいに来ただけか……。それとも、“正体”を知る為か……)
そう言うアンタは興味があるのか。その噂のヒーローとやらが……。
(口内に残る食べ物を飲み込んだ後、笑みを浮かべて此方に質問をする雪城に対し、真顔で質問で返す。単純に声を掛けてきただけならそれで良いが、自分から何かを聞き出そうとしているようならば、正体を知られない様な対応をする。茶を濁すよう、そう思っての質問返しだが──果たして)
>雪城
(三つあるサンドイッチの一つを平らげ、二つ目を手に取り食べていると、同級生の「シェイド・ロー」が自分の向かいの席に重々しく座り込む。彼とは顔見知り程度の間柄でしかないが、強いて彼の知っている所を挙げるとすると、生徒会や風紀委員によく世話になる程の問題児だということ。日頃からどんな問題を起こしているかは知らないが、興味が無い自分にはどうでもいい。……悪事を働いているというのなら、話は変わるが。
──自身が購入したサンドイッチの二つ目を、味わって食している最中。彼は自分に向けて、持論とも言えるような言い回しと馴れ馴れしさで、突然喋り掛けてくる。まるで、此方の心の声でも読んでいるかのような口振りだが……それよりも、いきなり何なんだ。内心そう呟きつつ自分の口に含まれるサンドイッチを、傍に置いてある紙パックのコーヒー牛乳で胃に流し込み、食べ物を残さない口を開いては、このように返答する)
ああ、そうだな……。
それにオレは、自分が助かればそれで良いと思うし、何より──他人には興味が無いからな。
(目を瞑ってテーブルに肘をつき、掌で頬を支えては、正体を悟られないよう無関心を装いつつ、故意に憎まれ口を叩く。少しでも自分に興味を持たせまいと、下手に詮索をされるのを避けようとしてのことだが……彼はどう受け止めるのだろう)
>ロー
……、ん?
(飲みかけのコーヒー牛乳と食べかけのカツサンドをテーブルの上に残したまま、自分が追う“ある組織”に関する情報を集めようとスマートフォンを片手に調べている最中、知り合いにして同学年の杜若が、心配とも不安とも取れる様子で話し掛けてきて。スマートフォンをスリープモードにし、それを羽織るブレザーの胸ポケットにしまった後、口角を上げて誤解と心配を与えぬよう嘘偽りなくこう証言する。「いや。喧嘩をした訳でもなければ、怒らせた訳でもない。まあ、気にするな……」。
──敢えて目につかないような位置で、黙々と一人で食事をしている自分。彼女の座ってもいいかどうかと言う問いに「ああ」と最低限に返答し、自分の隣にある椅子を片手で引いて腰を掛けられるようにすれば、テーブルに置く自分の食べかけのカツサンドを食す──。彼女とは親密と言える程の仲合ではなく、単なる知人という関係性でしかない為、あまり話すこともなければ、親睦を深めようとする意思は此方にはない。社交性の無い、気まずい男だと思われるだろうが、それなりの理由が自分にはある)
>杜若
(分厚くジューシーなカツレツを挟む、三つのサンドイッチ。一つずつ口にし、三つ全てを胃袋に流し込んでは、美味しく食べ終えた余韻に浸りつつ、多少残る紙パックのコーヒー牛乳も飲み終えて。昼食を済まし、胃に溜まるものを少し消化させてから、食堂を後にしようとする矢先──。トレイの隅々に大量の食べ物を乗せる一人の少女が、此方の席の方へと近寄って来るのを視認する。
パッと見る限り、160cmもない小柄な身長をする彼女だが、あれだけの量を一人で平らげるつもりか……。この学園には生徒・教師問わず、人間や吸血鬼など多種多様の種族に溢れているが……彼女は人間ではないのだろうか。──いや、正直彼女が人間であれ何であれ、どちらでもいい上に興味もないが……。食事も終え、胃袋に残るものが段々と消化してきた頃。そろそろ自分の教室に戻ろうと席から立ち上がり、テーブルにあるサンドイッチを包んでいた袋と、空となった紙パックを手にしは、食堂から立ち去ろうとして彼女とすれ違い──)
>フランクール
はっ……──。
(いつも購入している、大好物のカツサンドが無い今日。妥協してハムレタスにしたが、やはりあのジューシーでボリューミーな上に、学生の財布にも優しいカツサンドでなければ、いまいち腹も幸福も満たせない。思わず小さなため息をついたが、どうせ誰も耳にしていないだろうと気にすることなく、食べ物を手にしていない片方の手で頬杖をついてまま、一応好物なハムレタスを淡々と口の中へ運んでゆく。
自分が座る位置とは対になる、窓側の席でプリンを頬張る一人の少女が目に映るが、その様子は自分とは対照的で、食べた感想を快活に口にするほどに幸せそうで。些細なことだが、好きなものを食べて幸せな気持ちになっている彼女が、少し羨ましく思える。……そんなことを考えている最中。手元を見ると、無心に食べていたハムレタスは既に無くなっていることに気付く。残るのはパックのミルクのみ……。これを飲み終えたら、食堂を後にしよう──)
>和泉
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