雪月桜 2017-06-18 01:44:33 |
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(そうだ俺、あのあと男に怒鳴って、で、男が何かのスイッチを押したんだ。それで体が痺れて痛くて……そのあと意識を失った、のか?)
ほとんどの記憶を取り戻し、これからどうすればいいのかと悩んでいると、突然部屋のドアが開く音が聞こえる。
「やっと起きたみたいだね。おはよう子猫ちゃん」
部屋の中に入ってきたのは、皮肉にも卯月をさんざん痛めつけてくれた秋森江だった。
「俺は子猫じゃねぇ!つうか、何で俺、生きてるんだよ」
怪我をした獣のような瞳で威嚇する卯月に、江はあからさまに面倒くさそうな顔をする。
江の手には何かの飲み薬とミネラルウォーターがあり、それらをテーブルに乗せながらため息をつく。
「命の恩人に向かって、酷い言いようだな。君がそういう態度なら、俺にも考えがあるんだよ?」
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